【七夕賞】バトルボーン ド迫力ラスト11秒6!津村 史上初の福島重賞制覇へ「精神面の成長が大きい」

2023年7月6日 05:30

津村を背に併せで追い切るバトルボーン(左)(撮影・村上大輔)

 臨戦態勢OK。みちのくの名物ハンデ重賞「第59回七夕賞」(9日、福島)の追い切りが5日、東西トレセンで行われ、美浦Wコースでは4連勝中のバトルボーン(牡4=林)が良好な仕上がりをアピールした。新馬戦以来のコンビ再結成となる津村明秀(37)は、福島牝馬Sが創設された04年以降では初の福島重賞完全制覇へ、好感触を隠さない。

 バトルボーンの進撃は止まらない。3週連続でWコースの追い切りに騎乗した津村の喜色が何より雄弁だ。「相変わらずいい動き。無駄なこと一つしないし、乗り手の言うことを聞いてくれる。精神面の成長が一番大きい」。新馬戦以来のタッグ。手綱を介して伝わる確かな成長に自信がみなぎる。

 ゴール板を過ぎても追った1週前(5F67秒7~1F11秒3)とは対照的に、最終追いは「静」。セブンリーチ(3歳未勝利)を2馬身先行させ、直線入り口で並ぶ。「しまいだけ反応を確認した」と、鞍上が軽く仕掛けると一気に突き放して2馬身先着。5F70秒6~1F11秒6の時計以上に見せるド迫力の脚さばきは重賞級のそれだ。

 津村にとって福島は特別な場所。06年にラジオNIKKEI賞(タマモサポート)で重賞初制覇。15年福島記念(ヤマカツエース)、22年福島牝馬S(アナザーリリック)も制し、七夕賞を勝てば史上初の福島4重賞コンプリートとなる。「思い出深い競馬場だし、達成できればうれしい。素晴らしいチャンスを頂いたので結果を出したい。中山で結果を出しているし、先行力もあるので福島は合うと思う」

 相棒のバトルボーンは新馬戦2着後、破竹の4連勝。この戦績は父シルバーステートと全く同じ。馬名の由来も、ともに「米国ネバダ州の別称」。未完の大器と呼ばれた父は右前脚屈腱炎でわずか5戦で引退を余儀なくされたが、その夢の続きを、初年度産駒の遅れてきた大器が歩もうとしている。

 林師も「心身ともに充実していますが、これからもっと良くなるのでは…と期待も持たせてくれる馬です」と奥深い潜在能力を感じ取る逸材。同馬より先にゴール板を駆け抜けたことがあるのは、同期のダービー1番人気ダノンベルーガのみ。父超えの5連勝は通過点。進撃はまだ止まらない。

特集

2023年7月6日のニュース