【京都大賞典】ブローザホーン 勝って夢舞台へ!コントレイル級の柔軟性魅力

2023年10月4日 05:30

ブローザホーン

 今週は3日間開催。京都月曜メイン「第58回京都大賞典」には関東期待の上がり馬2頭がスタンバイしている。前走・札幌日経オープンで6馬身差圧勝を飾ったブローザホーンは来年2月に70歳定年を迎える中野栄治師の管理馬。長男の翔助手が目を見張る成長力に、悲願重賞初Vと有馬記念(12月24日、中山)参戦の夢を膨らませる。

 昨年12月の中山1勝クラスで2勝目を挙げ、前走・札幌日経オープンVまで8カ月で6戦4勝の固め打ち。4歳を迎えて急成長を遂げるブローザホーンに何があったのか?父・中野栄治師の下で調教に携わる息子の翔助手は語る。転機は3歳夏。昨年6月の函館未勝利勝ち後の放牧だった。

 「背中からトモ(後肢)。放牧から戻ってその辺りの動き、つながりが良くなった。馬術の技術を取り入れて、収縮させるようにトレーニングを積んだのが一番。走るのが凄く好きな子で体が柔らかい。コントレイルみたいに体がくっついちゃうんです」

 20年3冠馬コントレイルの柔軟性は、ネット上の動画などでご存じのファンも多いだろう。体を伸ばすと、顔が前肢につくほど柔らかい。持って生まれた資質に加え、菊花賞やジャパンCを制した父エピファネイア譲りの長距離適性が開花してきた。前走・札幌日経オープンは最終4角手前で堂々と先頭に立ち、衝撃の6馬身差圧勝。同助手は「函館記念(3着)の時が一番良かった。それと比べると調子はどうかな?という感じでビックリした」と充実を再認識した。

 京都は5月の烏丸Sで5馬身差V。今年の快進撃に弾みをつける圧勝だった。「まだ輸送は危うい面があるので1日早く京都へ」と同助手。輸送直後はカイ食いが落ちる点を考慮し、レース2日前の土曜に美浦を出発予定。現地で2泊することで食欲改善など細心の注意を払う。

 騎手時代にアイネスフウジンで90年ダービーV。「ナカノコール」で一世を風靡(ふうび)した栄治師も70歳。来年2月末には定年で厩舎解散となる。今や“厩舎の看板”となったブローザホーンには念願の重賞初Vに加え大舞台進出の夢がある。「今、オープン馬の数(カイザーメランジェなど計9頭)は美浦でトップ5。みんな頑張ってくれています。今回は凄いメンバーでどれだけやれるか。ここでいい競馬ができれば、ジャパンCや、有馬記念にも行ける。ファン投票よろしくお願いします!!」。

 偉大な父と最後のグランプリ出走を夢見て、息子は好走を祈る。残り約半年。幾多の思いを背に、淀で待つ強敵に挑む。

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