【悼む】風格と威厳 それでいて人当たりが柔らかかった小原先生 今でも記憶に残る胸の高鳴り

2024年1月27日 01:50

小原伊佐美氏

 JRAは27日、元騎手、元調教師の小原伊佐美(おばら・いさみ)氏が病気のため15日に死去したと発表した。79歳だった。

 【悼む】競馬記者になった91年春、既に栗東トレセンにオグリキャップ、タマモクロスの姿はなかったが、2頭の余韻は残っていた。昭和の香りと言い替えてもいい。先輩の井上泰司記者に「こちらがタマモクロスの小原先生」と紹介された時にドキンと胸が高鳴ったことを今も覚えている。

 タマモクロスが活躍した87~88年。当方は大学留年中。やり切れない20代前半を悶々と過ごしていた。一服の清涼剤がKBSの競馬中継で、破竹の快進撃でG1を3連勝したタマモクロスの物語には憧れのようなモノを抱いていた。

 小原先生には風格があり、威厳があった。それでいて人当たりは柔らかく、同じ九州人としてタマモクロスの思い出も随分、話してもらった気がする。個人的には記者として直接、取材したルーブルアクト(93年鳴尾記念)やロンシャンボーイ(93年京阪杯、高松宮杯)も忘れがたい。合掌――。今夜はYouTubeでタマモクロスのレース映像を見ながら、鹿児島の芋焼酎「伊佐美」で先生に献杯したいと思う。(中央競馬担当・オサム) 

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