【大阪杯】ソールオリエンス入魂!完全復活へハード3頭併せ、ラスト1F11秒2

2024年3月28日 05:30

ウッドチップコース、3頭併せで追い切るソールオリエンス(左)(撮影・郡司修)

 ハードに追った入魂の仕上げだ。「第68回大阪杯」(31日、阪神)の追い切りが27日、東西トレセンで行われ、昨年の皐月賞馬ソールオリエンス(牡4=手塚)が美浦Wコース3頭併せで抜群の動きを見せた。いつもより強い負荷をかけられ、復権への意志がくっきり。約1年ぶりのVを獲りにいく。同レースは28日に出走馬が確定。29日に枠順が決まる。

 完全復活へ、テーマは刺激。「前走(中山記念)乗った田辺騎手と話をして“調教でも少しアクセントをつけた方がいいのかな”なんて話をしたので」。手塚師は調整方法に工夫を施し、ソールオリエンス一変の可能性に懸けた。

 1週前追いでしっかり追って、当週は感触を確かめる程度の軽い調整がお決まりのパターン。だが今回、手塚師が最終リハで選択したのは、最後方から前2頭を追いかける負荷の強いWコース3頭併せだ。

 序盤から四肢をパワフルに回転させ、ラップ以上にスピード感のある走り。前を走るドゥラモンド(6歳3勝クラス)、コンテソレーラ(3歳未勝利)との距離は一完歩ごとに縮まっていく。2頭の内に位置取った直線ではギアがもうひと段階アップ。馬なりのままラスト1F(200メートル)11秒2と脚を伸ばし、余力十分に中のコンテソレーラと併入した。

 全体時計は5F(1000メートル)65秒7。前走中山記念の同68秒1、前々走有馬記念の同69秒2と比較すれば、いつも以上に攻めた追い切りだったことは明白だ。「型通り、1度使ったことで動きが軽やかになった。上がってきた息遣いも問題なかった」。思った通りの良化に手塚師も安どの表情を浮かべる。

 近4走は全て1角10番手以下。思ったような位置を取れない現状だが、中間の追い切りではブリンカーを着用し気分転換を図るとともに前進気勢の強化に努めた。初めて馬具を試した2週前追いは推進力十分の走り。騎乗した嶋田(レースは横山武)は「しっかりハミを取ってくれていた。走りのバランスは良くなっているし安定感もある」とその効果を実感。レースでも薄いブリンカーを着ける予定だ。

 昨年の皐月賞以来、約1年も白星から遠ざかっている。それでも「高みを望める馬であることは間違いない」と手塚師の評価は揺るぎない。練りに練ったトレーニングで万全態勢のかつての怪物。名誉挽回の時が来た。

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