【日本ダービー】ジャスティンミラノに感じたワグネリアンに通じるオーラ 藤本助手「長い東京なら…」
2024年5月24日 05:05 ジャスティンミラノの調教役を務める藤本助手。名門厩舎の攻め専(調教騎乗がメイン)として厩舎を支えている。03年に調教助手になって以降、他厩舎で経験を積み、17年に友道厩舎へ。当時は攻め専ではなく、初の担当馬がワグネリアンだった。「厩舎に来たばかりなのに、いい馬を担当させてもらいました。最初にまたがった瞬間に(この馬は)違うなと。四肢の運び方や首の使い方が上手で、走る馬なんだと感じました」と出合いを振り返る。
ワグネリアンは17年夏の新馬戦から野路菊S、東京スポーツ杯2歳Sとデビュー3連勝でクラシック候補に名乗りを上げた。ところが年明け初戦の弥生賞2着から皐月賞7着と振るわず。「ダービーに向けて調整方法を熟考しました」。ソフトな仕上げから一転、テンションが上がるリスクはあってもビシッと攻めて大一番に臨んだ。イチかバチか、鞍上・福永(現調教師)も絶妙な騎乗で応え、不利とされる17番枠からダービー制覇を成し遂げた。「あの枠だったので、いい意味で吹っ切れました。(福永)祐一さんにとっても初のダービー制覇でしたし、本当にうれしかった」。調教助手としての“引き出し”が増え、当時の経験は確実に生きている。
ジャスティンミラノとの出合いは昨年9月末。「まだ緩かったけど基礎能力が高く、最初にまたがった時にオーラを感じました」。期待通り、新馬戦を快勝。年内は休養に充て、成長を促した。帰厩すると乗り味が一段と良化。「歩幅が大きくなって毎回、時計の感覚が合わなくなったんです。ワグネリアンと通じるものがありました」。年明け初戦の共同通信杯で重賞初制覇、続く皐月賞でデビュー3連勝。藤本助手にとってはかつての相棒でもある、厩舎の先輩が果たせなかった3冠第1ラウンドをものにした。「折り合いに不安がなく、距離が延びても心配ないし、大跳びで直線が長い東京なら伸び伸び走れる」と舞台を歓迎。16年マカヒキ、22年ドウデュースを合わせ、厩舎4度目のダービーVへ。チーム・ミラノが一丸となって無敗2冠制覇にチャレンジする。
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◇藤本 純(ふじもと・じゅん)1979年(昭54)12月17日生まれ、京都市出身の44歳。京都競馬場近くの洛水高校馬術部で馬の魅力に触れる。卒業後は浦和競馬場で騎手を目指すが断念。その後、ノーザンファーム空港(北海道苫小牧市)で経験を積み、ジャスティンミラノ担当・山田正和助手は同牧場の同期。03年に栗東トレセン入り、17年に友道厩舎のスタッフに加わった。