【安田記念】(3)レッドモンレーヴ 気分良く追走できれば究極の切れ味勝負できる

2024年6月1日 05:23

極上の切れを備えるレッドモンレーヴ

 展開面にスポットを当てて勝ち馬をあぶり出していくG1企画「展開王」。東京競馬場で安田記念とともに「沖縄フェス」が開催される今週は、三度の飯より沖縄好きの梅崎晴光記者(東京本社)が登板。オリオンドラフトビールにも負けない極上の切れを備えるレッドモンレーヴをイチ推しした。

 究極の瞬発力が問われる高速馬場のマイルG1。当日の天候は微妙だが、予報通りなら金曜の降雨で悪化した馬場は土曜の好天で完全に回復し、切れ味勝負の舞台になる。ドーブネ、ウインカーネリアンの先行2騎がつくる、よどみない流れは差し馬向き。香港最強馬ロマンチックウォリアーが直線で日本勢をまとめてねじ伏せにかかる展開も加味すれば、ゴール前の逆転劇を演じるのはその死角から極上の切れ味で飛んでくる追い込み馬。伏兵レッドモンレーヴの出番だ。

 前走・京王杯SCではすさまじい末脚を繰り出した。上がり4F44秒9(1Fごとのラップは11秒0~11秒2~11秒4~11秒3)の速い流れをどん尻大外強襲。先に抜け出したウインマーベルの鼻差2着まで迫った。「あり得ない切れ味。直線で並びかけていく時の脚は物凄かった」と振り返るのが蛯名正師。虎に翼、馬に羽を付けたように飛んできた。ゴールドシップ、オルフェーヴルも顔負けの気性難だが、気分良く追走できれば極上の切れ味を発揮できる。

 過去最多のG1ホース10頭がそろうハイレベル戦となった昨年(今年はG1ホース6頭)も後方から6着まで差を詰めている。昨年は年明け4戦目だったが、今年は3戦目。今年の方が余力を残して臨める。大器晩成。体質が弱かった3歳時に半年近くの放牧で成長を促してきた成果だろう。この1年間で見違えるほどタフになった。名牝エアグルーヴの孫。「これだけの血統だから大切に育てて次の世代につなげてほしい」。藤沢和雄元調教師から託された良血馬の素質を徐々に開花させた。

 道悪では気性難が顔をのぞかせ、切れ味もそがれるので好天を望むのみ。究極の瞬発力が問われる高速馬場になれば、虎に翼、馬に羽。しこたま踏み込みたい今春一番の勝負馬だ。 

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