21歳急死の角田大河騎手 丁寧な取材対応…親しみやすかった 担当記者が悼む
2024年8月10日 09:21 【悼む】JRAは10日、角田大河(つのだ・たいが)騎手が死去したと発表した。21歳。
なぜ、こんなことに…。訃報を耳にし、無念の思いが込み上げてきた。
この夏は自身初の北海道シリーズ参戦、函館滞在に向けて「頑張ってきます!」と意気込んでいた。函館で6勝、札幌でも2週目に2勝を挙げ、軌道に乗りつつあった翌週にまさか…。まだ21歳。ジョッキーとしても、これからという時だった。
昨年の毎日杯、シーズンリッチで重賞初制覇。当時デビュー2年目、同期では今村聖奈騎手に続くタイトルだった。力強いガッツポーズで喜びを爆発させたと思いきや、インタビューは冷静でハキハキした口調。それでも時折、笑みがこぼれる姿に、あどけなさと親しみやすさを感じていた。
普段の取材でもそうだった。騎乗予定馬について、言葉がすらすらと出て、日頃から熱心に研究しているのだろう。初騎乗となる馬のことでも、分かる範囲で丁寧に答えてくれた。
昨年5月、開催日におけるスマートフォンの不適切使用に対する制裁で30日間(開催10日)の騎乗停止処分を受けた。トレセンでの笑顔が減ったように感じた中でも、持ち前の負けん気は変わらなかった。佐々木大輔騎手ら同期が頭角を現す中「負けられないです。電話でレースのことを話すことも多く、刺激になりますね」と話していた。
父がダービージョッキーでもある晃一師、2歳上の兄に大和騎手がいる競馬一家。幼少期から意識が高く、将来を嘱望されたホープ。繰り返しになるが、なぜ…。彼に携わっていた方々の気持ちを考えると胸が痛い。(中央競馬担当・坂田 高浩)