【中日新聞杯】素質馬が完全復活!デシエルト重賞初制覇 積極的な逃げでレース支配

2024年12月8日 05:13

<中京競馬 11R中日新聞杯>逃げ切って重賞初勝利を挙げた岩田康騎乗のデシエルト(撮影・椎名 航)

 「第60回中日新聞杯」が7日、中京競馬場で行われ、3番人気デシエルトが逃げ切りV。2連勝で重賞初制覇を飾った。デビューから3連勝を飾り、クラシックにも出走した素質馬が完全復活。イクイノックス、ドウデュースと同世代の5歳馬が来年の大舞台へ向け、初タイトルをつかみ取った。

 逃げた時点で勝負あり。デシエルトが積極的な逃げでレースを支配した。前半から抑えるのを苦労する場面もあったが、直線に入って持ち味のしぶとさを発揮する。後続を寄せつけず、2馬身差の楽勝。岩田康は「オーバーペースなのは分かっていたけど、コントロールも利かなかった」と苦笑いで勝利をかみしめた。

 前半1000メートル通過が58秒8。決して楽な逃げではなかった。スタート直後、タマモブラックタイ、外からエヒトが競りかける。それでも鞍上は強気なリードで譲らない。1角で単騎逃げの形に持ち込んだ。鞍上は「馬場(良発表でも水分を含んでいた)も味方した。そしてスタッフがここへ向けてしっかり仕上げてくれました」と安田厩舎へ感謝の気持ちを口にした。

 前走のアンドロメダSは22年ダービー15着以来の芝起用でV。鞍上は「前走を勝ってからパワーが出てきた」と明かす。安田師も「前進気勢が強くなって今回につながった」と上昇ぶりに目を細めた。今後については「この秋に3回、頑張ってくれたのでリセットさせたい。これからは適度に燃えさせていくような調整を牧場サイドと連係していきたい」と力を込めた。

 この日の馬体重532キロは92年フジヤマケンザン、09年アーネストリー、10年トゥザグローリーの528キロを更新。当レース史上最高馬体重での優勝となった。ダートもこなす二刀流の巨漢ホースが逃げスタイルを確立し、連勝をさらに伸ばしていく。

 ◆デシエルト 父ドレフォン 母アドマイヤセプター(母の父キングカメハメハ)19年1月17日生まれ 牡5歳 栗東・安田厩舎所属 馬主・ラ・メール 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績14戦6勝(JRA重賞初勝利)獲得賞金1億4376万7000円 馬名の意味はチリのオブジェ、マノデルデシエルトより。

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