【愛知杯】ワイドラトゥール 大外一気で重賞初制覇 藤原師はG1挑戦を明言「マイル仕様にして」

2025年3月24日 05:20

<中京11R・愛知杯>レースを制したワイドラトゥール(撮影・村上 大輔)

 施行条件が今年から大幅に変更となった中京競馬場の「第62回愛知杯」は10番人気ワイドラトゥールが制し波乱の決着となった。

 大外一気で華麗に突き抜けた。メンバー最軽量426キロのワイドラトゥールが小柄な馬体を弾ませて前を追う。北村友の左ムチに応え、残り50メートルで先頭に立つと勢いに乗ったまま重賞初制覇のゴールを駆け抜けた。鞍上は「4コーナーから動かして行く時の反応が良くて、馬場のいいところを通りながら持続してくれた」と勝利をかみしめた。

 最内枠から逃げたテイエムスパーダが前半3F32秒7の超ハイペースを演出。新装した12年以降の当地芝1400メートル戦では史上最速のタイムだった。ワイドラトゥールはスタートで少し遅れたが、焦らず後方に待機。コーナーで外を通って進出した。「ペースが速くなりそうだったので、ついて行かなくてもいいと思っていた。はまれば凄い瞬発力を見せてくれる馬ですから」。デビュー2戦目からコンビを組み続けるパートナーの末脚を信じていた。

 藤原師にとっては思い出深い血統。母ワイドサファイアは09年オークスの返し馬で放馬、競走除外になっていた。「母もやっていたし、感慨深い」と母が届かなかった重賞制覇に喜びもひとしお。そして「馬とジョッキーに100点満点をあげたい」と人馬を称えた。

 愛知杯は今年から3月に移行し、距離も1400メートルに短縮。ヴィクトリアマイル(5月18日、東京)へ向け、ダイレクトにつながるローテになった。指揮官は「マイル仕様にして頑張ります」とG1挑戦を明言。北村友は「おとなしくて、かわいい馬。この馬の良さをしっかり引き出せるように騎乗していきたい」と締めくくった。2カ月後、女王の座を狙う。

 ◆ワイドラトゥール 父カリフォルニアクローム 母ワイドサファイア(母の父アグネスタキオン)21年5月3日生まれ 牝4歳 栗東・藤原厩舎所属 馬主・幅田昌伸氏 生産者・北海道新ひだか町のフジワラフアーム 戦績10戦4勝(重賞初勝利) 総獲得賞金8479万円 馬名の由来は冠名+フランスの地名。

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