角居元調教師も称賛する「メタセコイアと馬の森」
2025年4月3日 05:10 日々トレセンや競馬場など現場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」は栗東取材班の田村達人(32)が担当する。「TCC Japan」は引退馬のセカンドキャリアの支援活動に取り組む団体。現在、プレ営業中で19日にグランドオープンを迎える観光養老牧場「メタセコイアと馬の森」(滋賀県高島市)を取り上げる。
全長2・4キロにわたって続く「メタセコイア並木」は年間、約30万人が訪れる滋賀県を代表する観光スポット。四季を通じて、さまざまな景色を楽しむことができる。19日、滋賀県高島市で観光養老牧場「メタセコイアと馬の森」がグランドオープンを迎える。
構想から6年。ゼロからの土地に約9000平方メートルの施設が造られた。誰もが気軽に馬と出合える場所、人と馬と大地がテーマ。元調教師で現在は石川県珠洲市で引退馬の支援施設を運営する角居勝彦氏は「引退馬をはじめ、あらゆる馬が人と触れ合える環境をつくってくれて感謝したい。(サラブレッドは)臭い、汚い、危険、高価といったイメージがある。観光スポットに馬の文化を取り込み、少しずつ身近になれば」と優しい表情で語った。
計10頭が在籍しており、競馬場のお出迎えの勤務経験があるミニチュアホースが2頭、ブルトン種で馬体重900キロのりんごちゃん(牝10歳)は馬車に観光客を乗せて並木沿いを歩くなど、普段の日常では味わえない特別な体験ができる。
写真を撮ったり、触れ合える元競走馬は6頭。15年チャレンジCを含むJRA7勝を挙げたフルーキーは15歳。3日前に誕生日を迎えた。馬房からひょこっと顔を出してくる甘えん坊で、まだまだ走れそうな立派な馬体、顔立ちの良さは現役時代と変わらない。かつて同馬を管理した角居氏は「これだけ敷地が広いと(馬も)走りたくなるだろうね。ストレスがかからない最高の場所だと思います」と喜んだ。他にも名馬ゴールドシップの全弟ゴールドフラッグ、20年日経新春杯2着のレッドレオンなどがいる。
競走馬の現役引退後は乗馬、実績や血統が良ければ繁殖の道があるが、次のステップに進める馬はひと握り。新たな価値を見いだし、もっと馬を身近な存在へ。利用者が増えれば、引退競走馬のセカンドキャリアにつながる。
◇田村 達人(たむら・たつと)1992年(平4)11月12日生まれ、大阪市城東区出身の32歳。高校卒業後は北海道新ひだか町のケイアイファームで育成&生産に携わった。