【北九州記念】アブキールベイ 飛躍の予感!陣営絶賛「馬体に芯が入ってきた」
2025年7月4日 05:23 この夏以降、飛躍を予感させる逸材だ。アブキールベイは前走葵Sで直線、目の覚めるような末脚を繰り出し重賞初制覇。元騎手の三津谷隼人助手(28)はマーニに騎乗した21年京都ハイジャンプで、史上初となる現役ラストライドでの重賞初制覇で劇的なフィナーレを飾った経歴の持ち主でもある。現在は坂口厩舎の攻め専(調教騎乗がメイン)として腕を振るい、厩舎の看板ホースで今秋の凱旋門賞(10月5日、パリロンシャン)を目指すビザンチンドリームの稽古もつけている。アブキールベイに関しては「今は良くなっている段階で、さらに成長すれば上でもやっていける」と期待のまなざしを向ける。
葵Sは15番人気での大金星も眉ひとつ動かさず、うなずく。「前走は調教の段階から、だいぶ馬が成長したなと感じていたんです。感触的には十分、戦える手応えはありましたね。前残りの展開でも、きっちり差してくれて強い内容でした」と高く評価する。
馬群の中に入ってもひるまず、そこからスペースを突ける勝負根性が最大の武器。「小柄(前走420キロ)ながら馬体に芯が入ってきました。気が乗るタイプでパドックでは常に二人引きだけど、だいぶ落ち着きが出ました」と心身両面の成長を実感している。
昨年は同じく葵Sを制して参戦した3歳牝馬ピューロマジックが勝利。3歳牝馬に53キロは極端に軽いハンデではなくても過去7戦で55キロを背負った点を考慮すれば走りやすい重量に違いはない。「ハンデは想定通り。負けん気の強さが備わっているし、前走の勝ちっぷりからすると今回もいいレースをしてくれると思います」。世代限定戦のラストで弾みをつけた新星候補がサマースプリントシリーズに新たな風を吹かせる。