【新潟2歳S】サンアントワーヌ暑熱対策“秘密兵器” Wコースで軽やか脚さばき披露
2025年8月21日 05:16 心頭滅却すれば火もまた涼しという。無我の境地に至れば火の熱さにも耐えられるとの禅の極意である。座禅を組めない競走馬はどうしたら夏の暑さを克服できるのか。その答えがサンアントワーヌの首差しにある。
馬場の出口で待ち構えていた鹿戸師が追い切りを終えた同馬の首に氷マフラーを巻き付けた。馬の首には大きな血管が通っているため、冷却すれば体温も下がる。欧米ではネッククーラーと呼ばれる冷却馬具を全ての管理馬に装着する同師。「着けている時間は厩舎に戻るまでの30分ぐらいだけど、猛暑をしのぐためにできることは何でもしたい」と、涼しげな顔で引き揚げるサンアントワーヌに視線を向けた。
Wコースの追い切りで見せたのも夏負け知らずの走り。母サンティール譲りの長い脚を軽やかに伸ばす。2馬身先行したトラマンダーレ(5歳3勝クラス)と馬なりのまま併入。6F86秒7~1F11秒5をマークした。「反応も良かったし、いい稽古ができた。前走は強い競馬をしてくれたが、もう少し距離が欲しい感じがしたのでマイルに替わるのもプラス」。同師は手応えを語ると再びその首差しに視線を向けた。首頭冷却すれば夏もまた涼し。