【菊花賞】(6)ミラージュナイト 瀧川清史厩務員期待 母に続く淀でG1獲り

2025年10月24日 05:30

厩舎周りで運動するミラージュナイトと瀧川厩務員 (撮影・亀井 直樹) 

 激戦必至の好カードだ。牡馬クラシック最終決戦「第86回菊花賞」は23日、出走馬18頭と枠順が確定した。札幌の条件戦連勝で大舞台につなげたミラージュナイトは3枠6番。内の後入れ偶数と絶好枠を引き当てた。かつて名門・角居厩舎で04年菊花賞馬デルタブルースに携わった瀧川清史厩務員(60)が精魂込めて仕上げ、同じく元担当馬で14年エリザベス女王杯を制した母ラキシスに続くG1制覇を目指す。また、6分の4の出走抽選を突破した8枠17番レイヤードレッドは18年菊花賞馬の父フィエールマン、母エキナシアの背中を知る嶋田純次(32)とのコンビ。人馬一体で3000メートル攻略にチャレンジする。

 母と同じく淀の大舞台で大物ぶりを示す。ミラージュナイトの世話役を務める瀧川清史厩務員は角居厩舎(21年春に師の勇退で解散)所属時に母ラキシスも担当。母はG1初挑戦だった3歳時の13年エリザベス女王杯で6番人気2着に健闘した。「凄く状態が良かったので楽しみでした」と懐かしそうに振り返る。条件戦を連勝しての臨戦過程は当時のラキシスと同じ。「短期放牧を挟んで背丈が伸びた感じ。北海道(夏に札幌で2戦)の時より状態は良さそう。まだ緩いけど、どれぐらいやれるか」と期待を膨らませた。

 瀧川厩務員はかつてハットトリック(05年マイルCS、香港マイル勝ち)やヴィクトワールピサ(10年皐月賞、有馬記念、11年ドバイワールドC勝ち)に携わった腕利き。菊花賞も04年に担当馬デルタブルースで勝っている。ラキシスは古馬になって力をつけ、14年エリザベス女王杯でG1初制覇。「体質が弱かったし、カイバをなかなか食べてくれなかった」と調整面の難しさを明かしつつ「もっと活躍できたと思う。気の強さもありましたしね」と懐かしそうに振り返る。

 ミラージュナイトは父バゴの血を色濃く受け継いだのかタイプは全く違うという。「お母さんとか(半兄のオープン馬)マキシは背中が強くて棒みたいな感じでしたけど、この馬はしなやかで柔らかい」と表現する。成長曲線がゆっくりで古馬になって飛躍の予感がするのは母と一致。一戦ごとの伸びしろが大きい。

 5F延長の3000メートルについては「こなせると思う。折り合いさえつけば」と対応可能な口ぶりだ。当日の雨予報も「大丈夫だと思います」ときっぱり。やや重の前走札幌日刊スポーツ杯で2馬身差V、母は不良馬場の15年大阪杯(当時G2)で断然人気のキズナを破ってV。血統面から、むしろ歓迎かもしれない。「楽しみと不安が半々、少し期待の方が大きいかな」と優しい表情。経験の全てを注ぎ込んで大舞台に臨む。(栗東取材班)

 ◇瀧川 清史(たきがわ・きよふみ)1965年(昭40)9月25日生まれ、三重県出身の60歳。83年に栗東・武宏平厩舎のスタッフになり、01年に角居勝彦厩舎に移って師の勇退で解散した21年に辻野泰之厩舎へ。角居厩舎でデルタブルース、ハットトリック、ヴィクトワールピサ、ラキシス、サートゥルナーリアといったG1馬を担当した。

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