【チャンピオンズC】ダブルハートボンド、想定通りの坂路52秒0 大久保師も納得

2025年12月4日 05:29

坂井を背に坂路を力強く駆け上がるダブルハートボンド

 冬の注目重賞は牝馬が熱く盛り上げる。ダート王決定戦「第26回チャンピオンズC」の最終追いが東西トレセンで行われ、中央ダート6戦6勝のダブルハートボンドは栗東坂路で軽快な脚さばきを披露。4F52秒0の上々タイムをマークした。みやこSレコードVの勢いに乗り、頂点まで駆け上がる。

 スピード感あふれる軽やかな動き。牝馬のダブルハートボンドがしなやかに四肢を回転させて坂路を駆け上がった。最初の1Fは14秒1で入り、2F目から12秒9→12秒3。ラスト1Fはやや減速して12秒7となった。2週連続、坂路で稽古をつけた坂井は「坂路で乗ったのは(この中間が)初めて。しまいの反応があまりないなという感じでしたけど、時計(4F52秒0)的には十分だったと思います」と感触を口にした。

 先月27日の1週前追いは坂路併せ馬で4F54秒3~1F12秒9。それを踏まえて大久保師は「先週は前を走るペースメーカーが気持ち遅かったので、今週は52秒ぐらいの指示」と明かし「前走ぐらいの状態で出せそう」と納得の口ぶりだ。

 前哨戦のみやこSは走りやすい不良馬場ながら、1分47秒5のレコードV。そこから中3週でのローテとなるが、反動は見られない。師は「いつもより多めに運動の期間を長くして回復を見ながら調整。弱い部位を補えるだけの体幹を持っています」と目を細める。

 昨年8月の未勝利戦デビューから5連勝を飾るも、体質の弱さや骨折などから出世に時間がかかった。唯一の黒星が門別のブリーダーズGC2着。JRAでは6戦して負けていない。「最初は弱いところをケアしながらの調整でしたが、最近は自分の体の使い方を覚えてくれて、そこまでケアしなくても動けるようになった」と成長を感じている。

 勝てば15年サンビスタ以来、10年ぶり2頭目の牝馬Vとなる。全てのレースで手綱を取る坂井が「(前走で)牡馬相手の重賞を勝って能力を感じた。この馬の力を出せれば」と意気込めば、大久保師も「時計的にも十分通用します。牝馬であることを意識せず送り出したい」と手応えを口にした。額に2つのハートマークが輝くヒロイン候補が新時代の歴史を築く。

 【馬券のツボ】
 《ここが買い》前走みやこSは2番人気で快勝。前走が重賞で2番人気Vだった馬は15年2着ノンコノユメ(前走武蔵野S)、16年2着アウォーディー(JBCクラシック)、17年2着テイエムジンソク(みやこS)、18年1着ルヴァンスレーヴ(南部杯)で4頭連続連対中と好相性。
 《ここが心配》中京に舞台を移した14年以降、牝馬は【1・0・0・7】の成績。15年覇者サンビスタは前年4着からの反撃Vだった。G1初挑戦のキャリアは気になる。

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