堀内師の理念体現する松岡&西村太 調教にこだわり「方向性は間違っていない」

2026年8月5日 05:13

管理馬をなでる堀内師

 日々トレセンや競馬場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週は東京本社の鈴木悠貴(35)が担当する。開業5年目の堀内岳志師(52)に厩舎を支える“2人の騎手”について聞いた。

 良血は少ない。入厩時点で完成された馬も多いとはいえない。だからこそ堀内師は人一倍調教にこだわる。「体調が良くて、メンタルも競馬に対して前向きなら、能力が足りない馬でも勝つことができる。その馬のポテンシャルを最大限に引き出してあげることが厩舎の仕事だと思っている」と信念を語った。

 レースは「発表会」であるという。「普段やっていることしか出せない場。だから人間がその馬のことを理解して、その馬に合わせた適切な調教の負荷やメニューを考えていかないといけない」。師の理念を体現するキーマンが2人。騎手の松岡と西村太である。

 松岡は開業時からアドバイスをくれる恩人だ。二人三脚で馬づくりを突き詰めてきた。「彼のレスポンスや感受性は凄い。レース後、ただ単に“走らなかった、止まってしまった”ということではなくて“こういうところがあるからこうした方がいい”と具体的な課題を与えてくれる。じゃあこういう調教を一緒にしていこう、となるので」と感謝した。

 西村太も松岡と共に厩舎の屋台骨を担ってきた。「重宝しています。松岡でも乗り難しいような、ちょっと危なっかしい馬でもうまいこと調教してくれるので。そういう癖のある馬はレースでも騎乗をお願いしている」と言葉を継いだ。

 7月11日の福島5R新馬戦。西村太は5番人気リーディンアクターに騎乗、絶好の手応えながら直線で伸び切れず3着に終わった。一見、馬を制御できていないようだったが、師の考えは違った。

 「あの馬は自分がボスだと思って人間に歯向かってきたり、立ち上がったり…。調教で落とされたりもしていた。彼はその癖をしっかり理解して、返し馬を丁寧にやっていた。“他のジョッキーだったら勝っていたじゃないか”と思うファンがいるかもしれないが、西村が乗ったからあれで収まったんです」

 堀内厩舎は今年まだ4勝ながら、2着12回、3着11回、4着13回、5着11回と掲示板内率は高い。「方向性は間違っていないと思っています。勝ち負けに参加できている、ということはいい状態でレースに向かえているということなので。松岡や西村、スタッフとコミュニケーションを取りながら、厩舎をラインに乗せていきたい」。知性派の堀内師が2人のスペシャリストと共に成長曲線を描く。

 ◇堀内 岳志(ほりうち・たけし)1973年(昭48)10月5日生まれ、大阪府出身の52歳。富田一幸厩舎、二ノ宮敬宇厩舎、小桧山悟厩舎のスタッフを経て、22年3月に開業。JRA通算1103戦30勝。

 ◇鈴木 悠貴(すずき・ゆうき)1991年(平3)4月17日生まれ、埼玉県出身の35歳。千葉大法経学部卒。14年入社、23年1月から競馬担当。

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