【天皇賞・秋】ダノンデサイル 太腿からお尻パンパン 長く伸びた臀筋がパワーアップ証明

2026年10月27日 05:30

筋肉量が一層増したダノンデサイル

 逆襲のキーパーツはここだ!鈴木康弘元調教師(82)がG1有力候補の馬体ベスト5をセレクトする「達眼」。第174回天皇賞・秋(11月1日、東京)ではダノンデサイル、クロワデュノール、マスカレードボール、レガレイラ、シェイクユアハートをピックアップした。中でも達眼が捉えたのはダノンデサイルの長く伸びた臀部(でんぶ)の筋肉。最近4戦はG1でいずれも3着に甘んじたダービー馬が逆襲に転じる。

 「筋肉は裏切らない」。NHKで放送された「みんなで筋肉体操」の講師を務めた谷本道哉氏(順大スポーツ健康科学部教授)の決めぜりふです。筋肉は努力に応えて結果を出してくれるもの。筋トレブームの代名詞にもなった名言です。運動生理学者の谷本先生ご自身も筋トレを兼ねてロードバイクで大学まで通勤。「片道5キロほど。行きに長い上り坂があるので、そこでインターバルダッシュをします。息も切れますし、腿とお尻がパンパンになります」(健康・医療情報サイト「日経Gooday」要旨)

 競走馬の筋肉も努力に応えて結果を出してくれます。その見本がダノンデサイル。坂路を交えた日々の調教の成果でしょう。大腿部(太腿)からお尻にかけての筋肉量が一層増えてパンパンになりました。特に臀部が凄い。臀筋と呼ばれる筋肉群が幾層もの山のように隆起し、尾の付け根からスネまで縦に長く伸びています。

 過去の馬体写真と比べてみると…。たくましい臀部を備えていましたが、これほど長くはなかった。臀部は推進力を生み出すエンジン部に相当します。臀筋が発達すれば、馬体を推進させるため地面を蹴る力が強くなる。縦に長く伸びた臀筋はエンジンのパワーアップを意味するのです。

 一昨年のダービー馬。昨春はドバイシーマクラシックでも勝利を挙げましたが、近走はG1で4戦連続3着。崩れないが、あとひと押しが利かない。臀筋の発達は勝ち切るためのプラスアルファになるかもしれません。

 体調は申し分ない。抜群の毛ヅヤ。栗毛の被毛が秋の柔らかな日差しを浴びて美しく輝いています。宝塚記念以来4カ月半ぶりの出走ですが、アバラがパラッと映る絶妙な仕上がり。四肢が巻き物で覆われているため脚部の状態は判断できません。ただ、四肢の巻き物はいつも着けているので問題ないでしょう。

 身心一如。体調が良いと精神状態も安定するものです。立ち姿には力みがなく、四肢のバランスも申し分ない。前後肢に6対4の理想的な比重をかけて立っています。目を輝かせながら両耳をきちんとそろえ、鼻孔も適度に開いている。ハミ受けも強からず弱からず、ちょうど良い。落ち着きがある顔つきに集中力と適度な緊張感も読み取ることができます。

 立ち姿が精神状態を、毛ヅヤが体調を忠実に映し出すのなら、筋肉は走力を包み隠さず表してくれる。鍛えれば鍛えただけ結果に出る。筋肉は裏切らないのです。(NHK解説者)

 ◇鈴木 康弘(すずき・やすひろ)1944年(昭19)4月19日生まれ、東京都出身の82歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70~72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許取得、東京競馬場で開業。94~04年に日本調教師会会長。JRA通算795勝。重賞27勝。19年春、厩舎関係者5人目となる旭日章を受章。

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