【天皇賞・秋】鈴木康弘氏 「筋肉は裏切らない」名言通り臀部の推進力で見事復活ダノンデサイル

2026年11月2日 05:30

<東京11R 天皇賞・秋>レースを制したダノンデサイル  (撮影・田中 和也)

 【鈴木康弘 達眼解説】ダノンデサイルの一番の勝因は幾層もの山のように隆起した筋肉です。ブービー16番手から大外へ進路を向けた直線。尾の付け根からスネまで縦に長く伸びた臀筋(でんきん)と呼ばれる筋肉群がどの馬よりも強く激しく伸縮した。馬の臀部(でんぶ)は車のエンジン部に相当します。シリンダー内で伸縮を繰り返しながら動力を作り出すピストンのように、臀部の長大な筋肉も圧倒的な推進力を生み出しました。

 「筋肉は裏切らない」。馬体診断(10月27日付)では筋トレブームの代名詞になった谷本道哉博士(運動生理学)の名言を紹介しながら、ダノンデサイルの臀筋の発達を指摘しました。近走はG1で4戦連続3着。あとひと押しが利かずに惜敗を続ける一昨年のダービー馬が復権するためのプラスアルファになるかもしれないと。筋肉は走力を包み隠さず表してくれます。鍛えれば鍛えただけ結果を出す。盾獲りの大舞台でも裏切ることはなかった。

 2番目の勝因は戸崎騎手の腹をくくったレース運びです。大外枠から少し出遅れました。中途半端に位置を取りにいこうとすれば外々を回されることになる。届かなければ仕方ないと腹を決め、この馬のリズムで後方から進みながら脚をためた。スタート2F目から11秒2~11秒0~11秒8~12秒3のラップを刻んで前半1000メートル58秒8。よどみないペースも味方しましたが、流れ以上にダノンデサイルの筋力アップと戸崎騎手の好騎乗が盾獲りを成功させたと言えます。

 1番人気のクロワデュノールは内から伸び切れず5着。体は仕上がっていましたが、夏の休養でいったん緩めた分、反応が鈍かった。ひと叩きされた次走に期待したい。(NHK解説者)

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