【小倉2歳S】頂点に輝いた!ナイルの宝石
2009年9月7日 06:00 小倉2歳Sは2番人気ジュエルオブナイルが優勝。父デュランダルは初年度産駒から早々と重賞ウイナーを送り出した。
【小倉2歳S
GIパネル
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激しい攻防となったゴール前、ジュエルオブナイルが最後の力を振り絞った。今夏、3度目の小倉。熱いサマーシリーズを戦い抜いたその先に小倉2歳王者のタイトルが待っていた。
詰め寄るダッシャーゴーゴーを首差で振り切った。テン乗りの鮫島はパートナーが秘める可能性を信じていた。
「初めて乗せてもらったんですけど(デビュー2戦で騎乗した)川田ジョッキーから力はあるし、勝てる馬だと聞いていました」
前走・未勝利が好時計での逃げ切り勝ち。それでもスピード一辺倒のタイプではない。センスの良さは、道中の走りに表れている。ポンとゲートを飛び出すとスッと好位へ。4コーナーでは逃げるオレンジティアラを見る形で2番手のポジション。あとは追い出しのタイミングを計るだけ。終始、人馬の呼吸が乱れることはなかった。
「ゲートを出て馬なりというか、引っ張ったまま。抑えるのに苦労するくらいでした。4コーナーでもいい手応えだったし、しっかり伸びてくれましたね」
終わってみれば会心の勝利でも、決して平たんな道のりではなかった。中1週に加えて3戦連続となる長距離輸送。荒川師をはじめ、厩舎スタッフは仕上げに細心の注意を払ってきた。出否未定のまま当週を迎え、荒川師が参戦を明言をしたのは追い切り後。そのゴーサインこそ思い通りに調整できたことの証明だった。レース後、荒川師は笑顔で報道陣を迎えた。
「今週は調教がオーバーワークにならないよう気をつけた。馬はしっかりしていたし、今年は涼しかったのも良かったよ。小倉に3回来ることができたんだから。勝つときはこんなもん。枠順も良かったね」
今後は重賞戦線を歩んでいく。「今後は短期放牧に出して様子を見ながらだね。修正すべきところは、また修正していきたい」と荒川師。次のステージは秋へ。夏の最終戦をステップに、さらなる高みを目指していく。
◆ジュエルオブナイル 父デュランダル 母レディオブチャド(母の父ラストタイクーン)牝2歳 栗東・荒川厩舎所属 馬主・(株)グリーンファーム 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績3戦2勝 総獲得賞金4035万3000円。