【凱旋門賞】クリンチャー“ジャイキリ”の準備は整った!
2018年10月7日 05:30 土曜朝のシャンティイは朝日がまぶしいくらいの快晴。レース当日は雨予報だが「本番でホントに降るの?」と思うくらい。いざ大一番へクリンチャーはエーグル調教場のダートコースでキャンター、最終調整を終えた。宮本師は「悔いのない仕上げができた。最高に近い状態。1番ゲートも引けたし、これで駄目だったら力差があるということ」。やることはやった。澄み切った青空に、充実の表情が映えた。
鞍上の武豊は前人未到のJRA4000勝を達成してフランス入り。5日はサンクルー競馬場で2鞍に騎乗し、6Rで勝利。そして、凱旋門賞前日6日にはパリロンシャン競馬場で1鞍に騎乗。3Rの芝2000メートル戦で人気薄のマジックソング(牝4=小林智)を2着に導き完璧な試走を行った。
「今日は仮柵のついた馬場だったからね。もっと軟らかくなってほしい。でも、パリロンシャンは気持ちいいし雰囲気もいい。今のレースも惜しかった。この2日は思うようなレースができています」
リズムは最高潮。クリンチャーは絶好の1番ゲート発進だ。「内の方がいいかな、とは思います。雨は降った方がいいとは思うけど、天気はどうすることもできない。与えられた条件で競馬をするだけ」と締めた。
1969年のスピードシンボリから20頭の日本馬が凱旋門賞に挑戦してきた。確かに、近年の出走馬と比べると実績は落ちるかもしれない。単勝244・8倍で勝った未勝利戦。10番人気でアッと言わせた菊花賞2着。クリンチャーには“意外性”がある。
今年は大坂なおみがテニス全米オープンでV、日本人による初の4大大会優勝に歓喜した。大谷翔平はメジャーリーグで二刀流に挑戦。勇気をもらった。海外で日本人が輝いたスポーツ界。今度はクリンチャーと武豊が世界を驚かせる時。競馬界史上最大の“ジャイアント・キリング”の目撃者になろう。