【天皇賞・春】坂路で復活 クリンチャー、昨年の再現を

2019年4月26日 05:30

天皇賞・春へ期待がかかるクリンチャー

 【G1ドキュメント・栗東=25日】何げない言葉に大穴馬券のヒントが隠れている。田村はそう信じる。これまでも人気薄の馬がビッグレースを勝った後「そういえば厩務員さんがポツリとこんな前向きなセリフを言っていたっけ…」ということが何度もあった。

 今回はクリンチャーがにおう。「近走の成績からあまり強気なことは言えないけど…」。宮本師はそう前置きしたが、「前走の日経賞(7着)でオッと思わせるところがあった。復調の兆しは見えた。17年、セントライト記念(9着)から菊花賞(2着)で好走した感じによく似ている。使った上積みはかなり大きいよ」。これは聞き漏らせない。夢中でメモにペンを走らせた。

 坂路で追い切った。これには、はっきりとした意味がある。「17年菊花賞、昨年の天皇賞・春(3着)とも坂路で追い切って結果を出した。当時と同じ形にしたんだ」。動きも上々。特に残り200メートルで馬が自ら気合を入れ直し、力感がこもったあたりが良かった。競走馬にとって最も大切な前向きさが完全に戻った。

 典型的ステイヤーであることは、はっきりしている。前述の17年菊花賞、昨年の天皇賞・春だけでなく、昨年の阪神大賞典も3着だった。超スローからの上がり勝負では苦しいが、序盤からスタミナの削り合いになれば、最後にジリジリと浮上してくるはずだ。きついラップに音を上げる馬が増えるほど、チャンスが膨らむ。

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