【府中牝馬S】スカーレット重賞初V!末脚さく裂レースレコード 3F最速33秒2

2019年10月15日 05:30

<府中牝馬S>レースを制したスカーレットカラー(右)(撮影・郡司 修)

 牝馬G2「第67回府中牝馬S」が14日、東京競馬場で行われ、4番人気スカーレットカラーが鮮やかな追い込みを決め、1分44秒5のレースレコードで重賞初制覇を飾った。管理する高橋亮師(41)は14年CBC賞(トーホウアマポーラ)以来となるJRA重賞2勝目。同馬にはG1エリザベス女王杯(11月10日、京都)の優先出走権が付与された。

 後方2番手を追走したスカーレットカラー。やや後ろに見えた位置取りは、鞍上・岩田康の計算通りだった。「ペースも速かった(前半5F通過58秒3)ので前半は無理せず、この馬のリズムを考えてあの位置取りになった」と岩田。直線残り400メートルを過ぎてからエンジン全開。外に持ち出すと最速3F33秒2の切れ味を発揮。内で密集する先行馬群を一気になぎ倒した。

 前走クイーンSも最速の3F33秒4の上がりをマークしながら首差2着に惜敗。岩田康は「(札幌の)短い直線でまだ脚が残っていた。本当に悔しい負け方だった」と振り返る。今回は直線が300メートル近く延びる東京。「じっくり構えて直線勝負と考えていた。直線はいつでも行ける手応え。いい脚を使ってくれた」。敗戦から得た確信を好騎乗へとつなげた。

 高橋亮師は内心ハラハラしながら見守った。「最後は届くのかと心配したが…。鞍上が慌てずうまく乗ってくれた」と好騎乗を称えた。体質が弱く、2歳7月の未勝利V以降、白星に見放された。今年5月のパールSでようやく2勝目。続くマーメイドS3着、クイーンS2着とG3好走で勢いをつけ、待望のタイトルを手に入れた。「馬体に幅が出てたくましくなった」と、今年に入っての急成長を勝因に挙げた。

 次はG1獲りへ。エリザベス女王杯の優先出走権を得たが、高橋亮師は「オーナー(前田幸治氏)の意向もあり天皇賞・秋(27日、東京)にも登録する。レースでの消耗が大きい馬なので、様子を見ながら決めていきたい」と話した。岩田康も「中身が詰まって力もつけた。G1でもいいパフォーマンスを見せてくれる」と力を込めた。夏に蓄えた力は本物。秋のG1戦線でも、強烈な切れ味が大きな武器となる。

 ◆スカーレットカラー 父ヴィクトワールピサ 母ヴェントス(母の父ウォーエンブレム) 牝4歳 栗東・高橋亮厩舎所属 馬主・前田幸治氏 生産者・北海道新冠町ノースヒルズ 戦績15戦3勝 総獲得賞金1億3214万2000円。

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