【桜花賞】藤井生かすフィオリキアリの持ち味

2020年4月10日 05:30

坂路を駆け上がるフィオリキアリ (撮影・亀井 直樹)

 【G1ドキュメント・栗東=9日】緊急事態宣言下にあっても、競馬開催の続行が決まった。それでも単純に喜ぶ関係者は皆無だ。むしろ、気持ちを引き締めて業務に当たりたい、担当馬を最高に仕上げて素晴らしい競馬をこの機会に見てほしい…。トレセンからはそんな声が多く聞かれた。柏原にも関係者の思いが伝わってきた。

 昨年、JRA騎手として新たな一歩を踏み出した藤井勘一郎(36)。これまで韓国やシンガポール、中国、マレーシアなど13カ国を渡り歩いた。オーストラリアに滞在していた07年には馬インフルエンザが大流行。2カ月以上、開催が中止になった。そんな経験もあって「一刻も早く日本全体が元の状態に戻ってほしい」と心の底から願っている。

 その藤井はフィオリキアリとのコンビで桜花賞に挑む。昨年の菊花賞(カリボール18着)以来、2度目のJRA・GI騎乗だ。前走・アネモネSは12頭立てとはいえ外枠不利とされる中山マイルの大外枠。スタート後しばらくして2コーナーを迎えるコース形態。外枠は、どうしても距離ロスを強いられる。それをはね返す強襲劇で2着。GI切符をもぎ取った。

 「先週の追い切りは軽快なフットワーク。これまで3戦乗せていただいて、この馬のことは自分なりに分析しています。GIに乗れるのは楽しみだし何とか期待に応えたいですね」
 しまいはしっかりした馬。その持ち味をどう生かすか。レース当日に向けて、さらにイメージを膨らませていく。

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