【フローラS】ルレーヴ、エアグルーヴ同門対決に藤沢和師自信「東京いいと思う」

2020年4月22日 05:30

レッドルレーヴ 

 東京日曜メインはオークスTR「第55回フローラS」。2枚の樫切符を懸けた一戦に良血馬が多数エントリー。中でも平成の名牝エアグルーヴを母系に持つレッドルレーヴとスカイグルーヴの直接対決は見応え十分だ。祖母がエアグルーヴのレッドルレーヴは父キングカメハメハ、母の父ディープインパクト。昨夏急死した“二大巨頭”も名を連ねる平成競馬の結晶とも言える血統。名門の誇りを胸に、祖母が躍動した樫の舞台を見据える。

 関東の名門・藤沢和厩舎がオークスを見据えて送り込むのが良血レッドルレーヴだ。祖母はエアグルーヴ。母ラストグルーヴは1戦1勝で繁殖入りしたが、11年セレクトセールで3億6000万円(税抜き)で落札された期待馬だった。藤沢和師はエアグルーヴ一族の印象について「遅咲きの馬が多いんじゃないかな。あと距離が延びて良くなるタイプも多い」と評する。ルレーヴも例に漏れず。「こういう血統だからじっくり育てている。(生産した)ノーザンファームにとっても特別な血統。走ってもらわないと困るという思いは同じだよ」

 デビュー戦は昨年10月の東京2000メートル。2着に敗れたが、師は「強いメンバーだったから。牡馬相手によく食い下がっていたよ」と振り返る。勝ったのはサトノクラウンの半弟フィリオアレグロ。後に弥生賞を勝ち、皐月賞5着のサトノフラッグには大きく先着した。桜花賞は当初から眼中になく、2000メートルで続戦して2戦目で初勝利。「まだ馬が若いからね。オークスというよりは、まずフローラS。そういう気持ちでやってきた」と師は話す。

 期待が大きいがゆえに、前走フラワーCの2着には不満も残った。「タイミング悪く他馬に外から来られたし、最後も甘かった。中山は上手じゃない」。一定の擁護はしつつも「できれば重賞を一つ勝ってから、この舞台に臨みたかった」と本音も口にした。一方で「東京はいいと思う。素直な馬で調整は凄く楽。体が大きい馬ではないが、それでも少しずつ体重は増えているから」と、愛馬のポテンシャルに信頼を寄せる。

 「今回も強い馬がいるし、桜花賞から(オークスに)来る馬はやはり強い。まずここでどんな競馬をするか。先のことはそれから」。将来性を高く評価しているからこそ、慎重に、入念に見定めながら、まずは春の最初の目標に挑む。

 【97年天皇賞・秋を制し年度代表馬】エアグルーヴは牡馬と激闘を繰り広げるその姿から「女帝」と呼ばれた。伊藤雄二厩舎から95年にデビューし、96年オークスで母ダイナカールとの母娘制覇を達成。4歳以降は果敢に牡馬に挑戦して97年天皇賞・秋を制し、80年プリテイキャスト以来17年ぶりに牝馬の天皇賞馬に。牝馬として26年ぶりに同年の年度代表馬に選ばれた。通算19戦9勝、重賞7勝。

 繁殖牝馬としても初子のアドマイヤグルーヴがいきなり03年エリザベス女王杯を勝ち、12年クイーンエリザベス2世C勝ちのルーラーシップなど活躍馬を送り出した。20歳だった13年、産駒で唯一現役のショパン(牡7=角居)を出産した後に内臓出血を起こしてこの世を去った。

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