白毛馬初G1制覇ソダシ 今年はクラシック制覇でブーム巻き起こす!勝負根性魅力「並んだら前に出さない」

2021年1月1日 05:30

白毛馬初のクラシック制覇を目指すソダシ

 神々しい白毛馬が新年の競馬をけん引する。コロナ禍の中、開催ストップこそなかったが一時は無観客競馬を強いられた昨年の中央競馬。今年はいい年にしたい。白毛のアイドル馬ソダシ(牝3=須貝)から元気をもらおう。阪神JFを制し4戦4勝の逸材。真っ白な馬体は馬名(サンスクリット語で純粋、輝き)そのまま。クラシック快走で一大ブームを巻き起こすか。

 真っ白で、奇麗で、可愛いだけじゃない。ソダシが2歳女王決定戦の阪神JFを制し、世界的にも初となる白毛のG1馬となった。須貝師は競馬の枠にとどまらないアイドルホースになることを願う。
 「真っ白な馬が緑のターフを走る姿は凄く奇麗ですからね。ソダシをきっかけに競馬に興味を持つ人が増えればうれしい。こういう時代なので見た人が少しでも元気になってくれることを願っています」

 見た目のインパクトは強烈。それでいて強い。新馬戦は3番人気で快勝。続く札幌2歳Sであっさりと重賞初制覇。これが白毛による芝重賞初制覇だった。ただ、パワー型が多いクロフネ産駒。洋芝巧者では…という声が強かった。

 強さが本物であることを示したのは10月のアルテミスS。東京の長い直線や高速決着に対応して完勝。そして12月の阪神JF。内から伸びたサトノレイナスをわずか7センチ差しのぎ、4戦4勝で2歳牝馬のチャンピオンに輝いた。

 ついに現れた超A級の白毛馬。全4戦で手綱を取った吉田隼は最大の武器に勝負根性を挙げる。「何とかしのいでくれと思ったけど、ゴールの瞬間は勝ったかどうかは分からなかった。最後は並んだら、前に出させない根性を見せてくれた。もっと鍛えて、人馬との信頼関係も築いていきたい」

 79年5月に日本で初の白毛馬となるハクタイユーが誕生。以後40年間、大舞台で主役を張ることはなかったが、白毛馬を大繁栄させた名繁殖牝馬シラユキヒメの孫となるソダシが歴史の一ページを切り開いた。ただ、物語はまだ始まったばかり。始動戦は未定だが、今年最初の大目標は桜花賞(4月11日、阪神)。白毛馬として初のクラシック制覇が成れば、日本中に白毛フィーバーが巻き起こる。

 【白毛マメ知識】白毛には「突然変異」と「遺伝子による」発生の2パターンがある。ソダシの祖母シラユキヒメは突然変異だが、同馬が白毛の遺伝子を持ったことで子孫が白毛王国となった。毛色を決定する遺伝子には優性順があり、白毛はどの毛色よりも最上位にある。よって2本の染色体のうち、どちらかが白毛になる遺伝子であれば、その馬は白毛になる。ソダシは白毛に出たので当然ながら白毛の遺伝子を持っている。よって将来、どんな種牡馬と配合しても一定の割合で白毛馬が出てくる。

 一方、シラユキヒメの子孫でありながら鹿毛に出たメイケイエール(牝3=武英、父ミッキーアイル)は白毛の遺伝子を持たなかったことになる。よって、突然変異が起こらない限り、子は白毛にならない。

 余談だが、例えば19年レパードSを勝ったハヤヤッコ(牡5=国枝、父キングカメハメハ)が種牡馬となれば、同馬は白毛の遺伝子を持つので産駒には一定の割合で白毛馬が出てくる。

 ≪現役に8頭≫白毛馬は現在、中央競馬に8頭。昨年の勝率は他の毛色が7%付近で推移しているのに対し、驚きの19・4%。4戦4勝のソダシを抱えるとはいえ、圧倒的な強さを誇る勢力と化している。トレセンに登場した当初は「イロモノ」的な扱いだった白毛。今や、関係者の認識は一変した。

 ≪ぬいぐるみ「企画中」≫ソダシファンに朗報!ぬいぐるみ計画が進行中だ。ホースグッズを扱う中央競馬ピーアール・センターで開発を担当する岩田毅史氏によれば「ソダシが阪神JFを勝ったことで現在、企画中です」。通常はG1・2勝以上、ダービーなどのビッグレースについては1勝でぬいぐるみ化を検討するが、ソダシについてはニーズが大きそうなため、阪神JFの優勝時点で企画検討が始まっている。同センターが白毛馬のぬいぐるみを作ることになれば初めてとなる。

 ≪ライバルはアカイトリノムスメ≫クラシックでのソダシのライバルは、やはり阪神JFの上位組。さすがの瞬発力を披露した2着サトノレイナス、出遅れながら豪快に追い込んだ3着ユーバーレーベンは引き続き強敵となる。阪神JF不出走組では2連勝中のアカイトリノムスメ(国枝)。ディープインパクト×アパパネという3冠馬配合の底力は脅威だ。

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