20年度JRA賞年度代表馬はアーモンドアイ!3歳3冠2頭相手に“圧勝”で2度目の受賞

2021年1月7日 05:30

ジャパンカップを制し9冠を達成したルメール騎乗のアーモンドアイ(右)

 快挙ラッシュの1年の顔はアーモンド!2020年度JRA賞受賞馬選考委員会は6日、各賞を発表。年度代表馬に史上初の芝G1・9冠馬アーモンドアイ(牝6=国枝)を選出した。3歳3冠馬2頭を抑え、記者投票総数283票中、236票を獲得。年度代表馬は18年度以来、2度目。また、最優秀4歳以上牡馬を受賞したG1・3勝馬フィエールマン(牡6=手塚)の現役引退が決まった。

 コロナ下でも動きを止めず、ファンに夢を与え続けた2020年の日本競馬界。数々の快挙に沸いた1年を代表するにふさわしい活躍を見せたアーモンドアイが2度目の年度代表馬選出となった。無敗3冠を達成した2頭を相手に得票率83・4%と文句なし。複数回の年度代表馬はキタサンブラック(16、17年)以来、8頭目(72年以降)。史上初の芝G1・9冠だけでなく、ラストランとなった世紀の一戦ジャパンCでコントレイル、デアリングタクトとの直接対決を制したことが大きく評価された。

 管理した国枝師は「大記録も作ることができ、輝きを保ったまま最後まで頑張ってくれました。アーモンドアイには感謝しかありません」。G1・9勝全てで手綱を取ったルメールは「最後まで無事に走り切って引退してくれて良かったです。忘れられない馬。3年間、騎乗することができて幸せでした。彼女の子を楽しみにしています」とコメントした。

 2年ぶりの年度代表馬と、最優秀4歳以上牝馬のタイトルを手に、繁殖牝馬としての第2の生活へ。昨年12月19日に中山競馬場での引退式を終え、すでに生まれ故郷の北海道ノーザンファームへ移動済み。初年度の交配相手はエピファネイアを予定。新型コロナの感染拡大を受け、まだ牧場に合いに行けていないという国枝師は「できれば子供もうちの厩舎で預かりたい」と話す。初子は早ければ24年にデビュー。歴代最強牝馬のDNAを受け継ぐ2世がターフでどんな走りを見せてくれるのか、ファンは待ちわびている。

 ▽JRA賞 啓衆社(専門紙ケイシュウニュースの前身)主催で1954年スタート。72年からはJRA発行の月刊誌「優駿」選定となり、87年からJRA賞としてJRA主催になった。選考方法は年度代表馬、各部門賞を全国の競馬記者クラブ11団体に所属する記者(クラブ歴3年以上、会友含む)283人の投票で決定。地方馬、外国馬も選考の対象。3分の1以上の得票を得た1位馬を授賞馬に決定。3分の1に達しなかった場合は選考委員会が授賞馬を審議する。

 ▼シルクレーシング・米本昌史代表 まずは名誉ある年度代表馬に選出いただいたこと、また素晴らしい馬たちが素晴らしいレースをした中で選出いただいたことを大変光栄に思います。国枝厩舎、牧場スタッフの皆さまをはじめ、この馬に関わられた全ての方々に感謝申し上げます。現在は無事に引退し、繁殖牝馬としてのキャリアをスタートしておりますので、子がデビューした時にはまた変わらぬご声援をよろしくお願いいたします。

 ◆アーモンドアイ 父ロードカナロア 母フサイチパンドラ(母の父サンデーサイレンス)牝6歳 シルクレーシング 美浦・国枝 ルメール ノーザンファーム 4戦3勝 6億1745万2000円(ヴィクトリアマイル、天皇賞・秋、ジャパンC)

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