【クイーンC】アカイトリノムスメ 3冠母アパパネとダブる!“愛らしい瞳”と勝負強さ引き継いだ

2021年2月9日 05:30

<クイーンC>重賞初制覇を目指すアカイトリノムスメ

 注目の3歳馬にスポットを当てる「Road to Classic」。今週は注目の超良血馬がスタンバイ。3歳牝馬重賞「第56回クイーンC」(13日、東京)に、国枝栄師(65)が手掛ける3冠馬カップルの長女アカイトリノムスメが参戦する。ディープインパクト×アパパネの最強遺伝子は大舞台でこそ。桜花賞に向けて賞金加算を狙う。また、日曜の「第55回共同通信杯」にはシャフリヤール(牡=藤原英)が登場。デビュー2戦目での重賞制覇を目指す。

 JRA・G1・19勝を誇る国枝師は、競走馬の顔だちからその将来を占うという。「馬体はもちろん、どういった顔、目をしているかも凄く大切。アーモンドアイは瞳が澄んで、一目で凄い馬だと分かった」

 毎年、牝馬クラシックをにぎわせる名門に、10年牝馬3冠達成アパパネの長女アカイトリノムスメが初めて入厩したのは昨春。彼女の顔は、名伯楽の目にどう映ったか。「お母さんに似てるっちゃ似てるんだよ(笑い)。キングカメハメハ産駒のアパパネより、ディープインパクト産駒のアカイトリの方が少し女の子っぽいけどね」。新馬戦で敗れ、東京マイルの未勝利→赤松賞を連勝した軌跡はアパパネと全く同じ。小さな体に大きな期待を背負う長女は、偉大な母が歩んだ道をたどりながら一歩一歩進化してきた。

 前走後は成長を促すため間隔を空けた。「欲を言えば体にもっと迫力が出ればいいが、気持ちはしっかりしてきた。まだまだ成長すると思うけど、実戦に行っていいタイプだから、ここでも楽しみ」。クラシック母娘制覇に向け、狙うは賞金加算。強敵がそろったが、「長くいい脚を使うタイプで、2つ勝っているように東京が合う」と証明済みの舞台適性は大きなアドバンテージになる。

 国枝師には忘れられないG1勝利がある。09年天皇賞・春。12番人気の低評価を覆して激走したマイネルキッツは、母タカラカンナも自ら育てた厩舎ゆかりの血統馬だった。「トレセンで一緒に過ごせば身内、家族のような感覚になる。自分が鍛えた馬の子供で勝つのはやっぱり格別だよ」。師に初のクラシックタイトルをもたらした母アパパネだけでなく、祖母ソルティビッドも厩舎の出身で、アカイトリは正真正銘の“国枝ブランド”。母から受け継いだのはくりくりとした愛らしい瞳と、天性の勝負強さ。同馬もまた、名伯楽に格別の喜びを与えてくれる存在だ。

 ≪父ディープ 12冠夢配合≫父母合わせてG1・12勝の豪華配合。両親だけでなく、母父、母母も現役時代は金子真人氏が所有した。長男モクレレはJRA3勝、次男ジナンボーは2年連続で新潟記念2着、三男ラインベックは兄弟初のクラシック出走(皐月賞15着)を果たしたが、いずれも重賞は未勝利。4番子の長女アカイトリノムスメには12冠ベイビー初の重賞制覇の期待が懸かる。なお、19年夏にディープインパクトが急死したため、同配合の産駒はアカイトリが最後。

 ▽クイーンC 66年に創設された3歳牝馬重賞。第1回は中山芝1800メートルで行われた。81年以降は現行の東京芝1600メートルに。桜花賞、オークスにつながる重要ステップレースとされている。近10年の勝ち馬に、ホエールキャプチャ(12年ヴィクトリアM)、ヴィルシーナ(13、14年ヴィクトリアM)、メジャーエンブレム(16年NHKマイルC)、クロノジェネシス(20年春秋グランプリ)とG1馬4頭が名を連ねる出世レース。

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