奈穂&まなみ、誓う“菜七子超え”!5年ぶりJRA女性騎手誕生

2021年2月10日 05:30

ポーズを決める永島まなみ(左)と古川奈穂(JRA提供)

 JRA競馬学校騎手課程37期生の卒業式が9日、千葉県白井市の同校で行われ、古川奈穂(20)、永島まなみ(18)の2人の女性騎手を含む8人が卒業した。JRAに女性騎手が誕生するのは藤田菜七子(23)以来5年ぶりとなる。騎手免許試験に合格した8人には3月1日付で騎手免許が交付され、同月以降に順次デビューする。

 コロナ禍で出席人数を大幅に制限されて行われた競馬学校の卒業式。藤田菜七子以来5年ぶりに女性騎手候補生として卒業式を迎えた2人は、神妙な面持ちで晴れの日を迎えた。矢作厩舎に所属する古川は「無事卒業式を迎えられてホッとしているが、デビューしてから立派な騎手になれるように頑張っていきたい」。高橋康厩舎所属の永島は「卒業がゴールではなく、これからがスタートだと思っているので、技術向上に励み、日々精進したい」と意気込みを語った。

 名門・矢作厩舎に所属する古川。栗東トレセンでの実習期間にはG1馬モズアスコットなどの調教にまたがり、リスグラシューの豪州G1制覇、コントレイルの3冠達成は目の前で見届けた。古川は「在学中の厩舎実習ではたくさんの勝つ喜びを教えていただきました。これからは自分でその喜びをつかみ取れるように頑張っていきたいと思います」と早くもプロ意識をのぞかせた。

 園田で騎手として活躍した永島太郎調教師を父に持つ永島。騎手を目指すきっかけは「格好いいお父さん」だった。身長は約1メートル60。菜七子、古川より一回り背が高く、安定した騎乗フォームは関係者から評価されている。永島は「ファンの方々や関係者の方々に信頼され、一鞍一鞍を大切に騎乗し、たくさん勝利できる騎手になりたいです」と夢を語った。

 JRAに3人以上の女性騎手が在籍するのは増沢(旧姓牧原)由貴子ら5人がいた01年以来。古川と永島が見つめるのは、JRA女性騎手通算最多勝利を更新し続ける菜七子の背中だ。古川は「女性、男性関係なく活躍されていて凄いと思う」、永島は「男性に負けず堂々と騎乗されていて、とても尊敬している騎手です」と憧れを口にする。順調なら3月以降にデビュー。女性騎手同士の華やかな競演が今から待ち遠しい。

 ▼藤田菜七子 まずは卒業おめでとうございます。(女性騎手が増えることについては)凄くうれしい気持ち。昨年10月に模擬レースで一緒にレースに乗る機会があって、その時に女性騎手候補生に限らずその期の子たちには教えることができました。振り返れば、競馬学校生の頃は早くジョッキーになりたいと思って3年間を過ごしましたが、いざ卒業してデビューするとなると不安はありました。(女性騎手たちにとっても)そういう意味で支えになれる存在になれれば。尊敬できる存在になれるよう頑張っていきたいです。

 【JRA競馬学校騎手課程37期生コメント】
 ◆小沢 大仁(おざわ・だいと)2003年(平15)1月4日生まれ、愛知県出身の18歳。栗東・松永昌厩舎所属。目標の騎手・幸英明、森一馬。特技・水泳、マジック。1メートル56、44キロ。
 ▼小沢 いつでも積極的な競馬をし、多くの方から信頼していただける騎手になりたいです。

 ◆永野 猛蔵(ながの・たけぞう)2002年(平14)9月8日生まれ、新潟県出身の18歳。美浦・伊藤圭厩舎所属。目標の騎手・武豊。特技・カラオケ。1メートル61、45キロ。
 ▼永野 騎乗させていただく全ての馬を一つでも上の着順、勝利に導けるよう全力で騎乗していきたいです。

 ◆西谷 凜(にしたに・りん)2002年(平14)7月8日生まれ、滋賀県出身の18歳。栗東・谷厩舎所属。目標の騎手・池添謙一、幸英明、団野大成。特技・水泳、絵を描くこと。1メートル66、47キロ。
 ▼西谷 騎手である父(誠)の姿に憧れた。一つ一つの目標を確実に達成し、新人賞を目指して頑張りたいです。

 ◆横山 琉人(よこやま・りゅうと)2003年(平15)1月8日生まれ、茨城県出身の18歳。美浦・相沢厩舎所属。目標の騎手・石川裕紀人、武藤雅。特技・卓球。1メートル60、44キロ。
 ▼横山 父(義行氏)が元騎手でその姿に憧れた。一鞍一鞍を大切に乗り、厩舎関係者の方々から信頼される騎手になりたいです。

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