【チューリップ賞】エリザベスタワー&メイケイエール同着V!2頭し烈な叩き合い 決着は桜の舞台で

2021年3月7日 05:30

<チューリップ賞>1着同着となるエリザベスタワー(奥)とメイケイエールの2頭(撮影・亀井 直樹)

 牝馬クラシックの前哨戦として注目を集めた阪神の「第28回チューリップ賞」は2頭が同時にゴールを駆け抜け、写真判定の結果、断然人気のメイケイエールと3番人気のエリザベスタワーの同着Vだった。3着には4番人気のストゥーティが粘り込み、桜花賞の優先出走権を獲得した。

 熾烈(しれつ)な叩き合いを繰り広げた2頭が勝利を分け合った。断然人気のメイケイエールは道中の抑えが利かず、早め先頭へ。そのまま押し切りを図ったが、直線で最内からエリザベスタワーが追い上げ、2頭同時にゴール。映像ではどちらが勝者か判断できず。長い写真判定の末、結果は同着となった。メイケイエールの手綱を取った武豊は「何とか勝ったけど課題が多く見つかった内容でした。スッキリ勝てなくて申し訳ないです」と振り返る。スタート直後から掛かり通し。35年連続JRA重賞Vを決めたものの満足できる内容ではなかった。次の桜花賞(4月11日、阪神)に向けて、武英師は一から戦略を練り直す。

 「追い切りから不安が残っていたが、やっぱり後ろに馬がいるとスイッチが入ってしまう。本番はフルゲート18頭なので今のままでは駄目。また馬具などを考え直します」

 課題のある内容だったメイケイエールに対し、エリザベスタワーは世代トップと渡り合える実力を証明した。騎乗した川田は「追い出してから流れて、まだ走り切っていない感じでした」と、あえて厳しくジャッジするものの将来性への期待は十分。

 「素質はかなり高いものを持っています。気難しい面があるので本番までに精神面が成長してくれれば」

 重賞の同着決着は19年フィリーズレビュー(ノーワン、プールヴィル1着)以来、2年ぶり。桜花賞まで残り1カ月。各陣営、課題を克服して万全の状態で本番に臨みたい。

 ◇エリザベスタワー 父キングマン 母ターフドンナ(母の父ドワイエン)18年1月23日生まれ 牝3歳 栗東・高野友和厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・英国の社台ファーム 戦績3戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金4404万円。馬名の由来はビッグベンの正式名。

 ◆メイケイエール 父ミッキーアイル 母シロインジャー(母の父ハービンジャー)18年2月23日生まれ 牝3歳 栗東・武英智厩舎所属 馬主・名古屋競馬(株) 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績5戦4勝(重賞3勝目) 総獲得賞金1億1464万5000円。馬名の由来は冠名+応援。

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