岩手競馬で相次いだ禁止薬物問題 捜査終了の方針、人為的混入なく食べるわらに自然発生

2021年3月20日 05:30

 2018~19年に岩手競馬の競走馬から禁止薬物のボルデノン(筋肉増強剤)が相次いで検出された問題で、競馬法違反の疑いで捜査していた岩手県警が、人為的な混入ではなく、自然発生した薬物成分を摂取した可能性が高いと判断したことが19日、捜査関係者への取材で分かった。同日中に捜査結果の書類を盛岡地検に送付し捜査を終える方針。

 岩手競馬では18年7月~19年11月に競走馬計12頭からボルデノンを相次いで検出、レースの休止と再開を繰り返した。盛岡競馬場(盛岡市)と水沢競馬場(奥州市)の厩舎から検出したことを受け、県競馬組合は何者かが故意に投与したと判断し、容疑者不詳のまま告発状を提出していた。

 捜査関係者によると、12頭のうち書類送付の対象はレースで1~3着に入った5頭。捜査の結果、厩舎で使用していたわらには湿度や気温、保管状況など一定の条件下でボルデノンが自然発生する可能性があることが判明した。そのわらを食べたことで陽性反応が出たとみられる。

 県警は19年12月、保管中のわらを廃棄し、代わりにウッドチップを使用するよう組合に指導。その後、ボルデノンは検出されなくなった。

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