【皐月賞】ヴィクティファルス、池添兄弟タッグでいざ天下獲り
2021年4月16日 05:30 混戦模様の「第81回皐月賞」で天下獲りを狙うのが、池添謙一(41)と池添学師(40)の“兄弟タッグ”で臨むヴィクティファルス。JRA史上初の兄弟によるG1制覇に向け、そろって気合が入っている。
今度はG1舞台で天下獲りを狙う。ヴィクティファルスはデビュー3戦目の前走・スプリングSで初タイトルを手にし、皐月賞切符を獲得。兄・池添謙一&弟・池添学師の“兄弟タッグ”による11度目の挑戦で重賞初勝利を飾った。
謙一と初コンビで挑んだスプリングSは雨中の重馬場に加え、4コーナーで外へ振られる不利がありながら大外から強襲。メンバー最速の上がり3F36秒1の剛脚を披露した。レース後は検量室前で、笑顔で拳を突き合わせる姿がほほ笑ましかった。謙一は「前走はいい内容でしっかり勝ち切ってくれました」と振り返った上で「弟と一緒にG1舞台に挑めるのはうれしい。ジョッキーを続ける中でたくさん夢はありますが、そのうちのひとつは一緒に大きい舞台で勝つこと。その夢をかなえたいと思います」と力を込めた。
弟・学師も少年時代に騎手の道を志したが体が大きくなり、断念せざるを得なかった。目標を失いかけたが、常に兄の背中を追いかけ、その存在の大きさを感じ取ってきた。現在は騎手と調教師。同じ競馬サークル内でも立場は違う。それでもホースマンとしてリスペクトする気持ちは強い。
「子供の頃、兄は熱狂的な武豊騎手のファンでした。名馬が在厩している厩舎へ行き、ブラシに付いた“たてがみ”をもらってくるなど、アクティブさは昔から凄かったですね」
お互い尊敬し合う間柄。強い絆でJRA史上初の兄弟G1制覇へ。学師は「これまで18年秋華賞のサラキア(4着)、19年朝日杯FSのグランレイ(3着)と2度とも惜しい競馬でした。今回もチャンスがある馬なので、僕自身まだ勝ったことがないG1を勝ちたいと思っています」と力強く結んだ。
◆池添 謙一(いけぞえ・けんいち)1979年(昭54)7月23日生まれ、滋賀県出身の41歳。98年に栗東・鶴留明雄厩舎から騎手デビュー。デビュー年の北九州記念・トウショウオリオンで重賞初制覇。11年にオルフェーヴルで3冠を達成するなどG1・26勝。JRA通算1万3407戦1245勝(重賞86勝)。
◆池添 学(いけぞえ・まなぶ)1980年(昭55)9月2日生まれ、滋賀県出身の40歳。06年から父・池添兼雄厩舎で厩務員、調教助手を務めた。14年に調教師免許を取得し、翌15年3月に厩舎を開業。開業2戦目の未勝利戦をメラグラーナで制し、JRA初勝利。JRA通算1558戦165勝(重賞4勝)。