杉山佳師 有力馬続々で飛躍の夏へ「馬が楽しい調教」

2021年7月30日 05:30

 杉山佳厩舎の厩舎服は赤とオレンジのグラデーション。立ち上る炎(ほむら)は情熱の証だ。「オリンピックカラーと言われますけど、こっちが先なんで」と指揮官は笑う。

 昨年はデアリングタクトで牝馬3冠制覇を成し遂げた杉山晴紀(はるき)厩舎がブレーク。今年は新たに開業した杉山佳師がプチブレークの予感たっぷりだ。先週3連単600万円馬券を演出した日曜新潟6Rの新馬戦(10番人気ファンデルでV)は名刺代わりのようなもの。これから勝ちまくる!!

 「厩舎が人気しないんでね。こっちは気楽です」

 新規開業とあって管理馬は引き継ぎ、転厩馬が多いが2歳馬は自ら見つけた世代。ファンデルを含め、カワキタレブリー、シホノディレットと既に3頭が勝ち上がっている。「馬が楽しいと思えるような調教を心がけています。主従関係を教えるのはもちろんですが、馬が楽しくない調教はしたくない」。快活だ。

 今週は函館の重賞クイーンSにマイエンフェルトを起用する。格上挑戦になるが母の半姉に名牝ブエナビスタがいる良血。遅ればせながら本格化なら侮れない。「今回も10日競馬(放牧先から前週に入厩して出走)になりますが、それが合っているんでしょう。洋芝適性があるし、どれだけやれるか」と腕ぶす。

 新潟日曜メイン・関越Sにはハッピーアワーを起用している。「フレッシュでいい状態。差す競馬が板に付いてきた。過去にG1で7着に来ている馬だし、もっとやれても」と前走メイS10着から一変を思い描く。

 若きトレーナーがメキメキ頭角を現す夏競馬。今週も杉山佳厩舎に熱視線だ。

 ◇杉山 佳明(すぎやま・よしあき)1983年(昭58)12月17日生まれ、兵庫県出身の37歳。2010年に栗東・庄野厩舎の厩務員になり、翌年から調教助手。13年に沖厩舎、19年に上村厩舎へ。20年に調教師免許を取得、今年3月に開業して同27日、中京1勝クラスのエピローグで初勝利を挙げた。JRA通算91戦6勝。 

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