【セントウルS】ピクシーナイト 迫力ボディーで3馬身先着、福永「体つき良くなった」逆転夏王者でG1へ

2021年9月9日 05:30

<セントウルS>福永を背に坂路をで追い切るピクシーナイト

 サマースプリントシリーズ最終戦「第35回セントウルS」の追い切りが8日、東西トレセンで行われ、3歳馬ピクシーナイト(牡=音無)は福永を背に栗東坂路で4F51秒0~1F11秒9の好時計をマーク。併走馬をあっさり3馬身突き放した。CBC賞2着に続く同シリーズ参戦で勝てば逆転優勝となるが、陣営はそれ以上に先の大舞台を見据えている。

 出走メンバー最大となる約530キロの馬体には無限の可能性が詰まっている。3歳馬ピクシーナイトの最終追いは福永を背にエンプティチェア(4歳3勝クラス)と併せ馬。迫力満点のボディーを揺らしながら、坂路を力強く駆け上がる。楽な手応えのままラスト1Fで前に出ると、そのままグングン突き放し3馬身先着。4F51秒0~1F11秒9のタイムも文句なしだ。デビューからコンビを組み続ける鞍上は「順調に良くなっているね。体つきもちょっとずつ良くなってきた」と相棒の成長を感じ取る。見守った音無師も「トップスピードに乗るのが速い。時計も出ているし動きは良かった」と満足げだ。

 マイル戦のシンザン記念で重賞制覇を飾ったが、陣営は早くからスプリント適性を見抜いていた。待望の千二起用だった前走(CBC賞2着)は日本レコード(1分06秒0)の超高速馬場にも対応。福永は「外枠から差す形になったがスムーズに対応してくれた。前にも行けるスピードはあるし千二、千四の距離ならどんな競馬でもできる」と収穫のある一戦になった。

 前走で負かした同世代のヨカヨカ(5着)が続く北九州記念を制覇。鞍上も「十分トップクラスとやり合える力はある」と評価する。2戦2勝の中京に舞台は替わるが「コースはどこでもいい。そういうレベルの馬じゃないから」と相棒への期待の高さを口にした。

 サマースプリントシリーズの逆転優勝も懸かる一戦だが、陣営が目指すのはその先だ。鞍上は「G1(10月3日、スプリンターズS)しか見ていない。そういうレベルの馬だと最初から認識していたし、準備もしてきた。インディチャンプもそう。準備すれば何でもできる馬になる」。同じ音無厩舎で自らマイルG1馬に導いた先輩のように、コンビ愛を深めて競馬を教えてきた。

 同シリーズはアイビスSD(オールアットワンス)→北九州記念→キーンランドC(レイハリア)と3歳馬が3連勝中。その最終戦も3歳馬Vで締めくくり大舞台へ羽ばたく。

 《4頭にチャンス》サマースプリントシリーズは2週前に第5戦・キーンランドCを終え、CBC賞勝ちと北九州記念2着のファストフォースが15ポイントでトップ。最終戦・セントウルS登録馬で逆転優勝の可能性があるのは4頭だ。5ポイントのカレンモエ、ピクシーナイト、4ポイントのシゲルピンクルビーが勝てば単独優勝、3ポイントのタイセイビジョンが勝てば僚馬ファストフォースとともに西村厩舎2頭の同点優勝となる。

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