【ローズS】実りの秋へ イリマ 体質改善し連勝 G1舞台への扉を開く

2021年9月15日 05:30

勢いに乗って抽選突破を決めたいイリマ

 今週の中央競馬は18~20日の3日間行われる。日曜の中京メインで秋華賞(10月17日、阪神)トライアル「第39回ローズS」、月曜は菊花賞(10月24日、阪神)トライアル「第75回セントライト記念」(ともに3着までに優先出走権)とアツいレースが続く。春の実績馬か、夏の上がり馬か――。毎年、興味をひかれるテーマだ。ローズSにはイリマ(牝3=高橋亮)を筆頭に4頭が連勝で重賞に挑む。勢いづく新興勢力にスポットを当てる。

 ローテーションに進撃のサインがあった。イリマは昨年7月デビュー。新馬戦3着の後、3カ月の間隔を空けた。2走目も3着、そこから半年の休養。4月に立ち上げ、休み明け4走目で初勝利を挙げた。担当の山下助手は「中1週で使って未勝利を勝てたことが、いい方に出たのかもしれない。平たんの小倉というのも良かったですね」と振り返る。順調に使えるようになり、連勝と軌道に乗った。

 体質の弱い面が解消、攻めを積めるようになった。「調教をスムーズにできるようになったことが、今の成績につながっていると思います。ギリギリ間に合いましたね」。この2走でつけた着差は実に8馬身。重賞を意識できる存在へと昇華した。

 半姉スカーレットカラーもかつて高橋亮厩舎に所属、一昨年の府中牝馬Sを制した。きょうだいそろって山下助手が手がけている。「姉はカイバを食べなくて苦労したけど、この馬は食べてくれますね。この血統は急に良くなってくることがあるんですよ」。持てる素質が実を結んできた。

 前々走の未勝利勝ちは開幕週の馬場とはいえ、1分57秒5(芝2000メートル)の勝ち時計は掛け値なしに速い。同日同条件で行われた国東特別(1勝クラス)と同じタイム。中京は開幕2週目で馬場も
いい。台風の影響がどうかだが高速決着になっても不安はない。
 12日の仏フォワ賞はディープボンドが逃げ切って海外重賞Vを決めた。イリマは同じチーム・ノースヒルズのキズナ産駒。海の向こうから、いい流れが来ている。この勢いで賞金900万円組の出走抽選(13分の11)突破へ。一気にG1舞台への扉を開く。

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