【エ女王杯】ウインキートス G1初制覇へ成長実感!丹内&宗像師の悲願乗せて

2021年11月12日 05:30

丹内を背に調教を終え厩舎に戻るウインキートス(撮影・郡司 修)

 牝馬の頂点を決める「第46回エリザベス女王杯」(14日、阪神)の出走馬が11日、確定した。オールカマー2着で地力を示したゴールドシップ産駒ウインキートス(牝4)は管理する宗像義忠師(67)、鞍上の丹内祐次(36)ともに悲願のG1初制覇が懸かる一戦。乾坤一擲(けんこんいってき)の激走はあるか。なお、同レースの枠順は12日に発表される。

 悲願。G1初挑戦のウインキートスは関係者の夢を乗せて駆ける。「これまでたくさん悔しい思いをしてきた」と話すのは宗像師。93年に開業し29年目。これまで管理馬を50度にわたってG1の舞台に送り出したが、壁にはね返され続けた。15年天皇賞・春(フェイムゲーム)の2着が最高。「早くからここを大目標に頑張ってきた。準備はできた」と胸を張って51度目の夢舞台に挑む。

 前走のオールカマーで確かな手応えをつかんだ。師が「好位につけていいレースだった。惜しかった」と振り返る正攻法の競馬でグローリーヴェイズ、レイパパレのG1馬2頭をかわす価値ある2着。春の目黒記念Vがフロックでないことを証明するには十分な走り。オープン入りまで14戦を要した遅咲きで「経験を積み重ねてきて、少しずつ落ち着きが出てきた。レースに集中できるようになってきている」。地道な成長が4歳にして実を結びつつある。

 鞍上の丹内は「キーちゃんは手放したくない」とただならぬ愛情を注いできた。こちらも8度目の騎乗で初のG1タイトルが懸かる。この中間も3週連続で追い切りにまたがって闘魂注入。輸送を考慮して抑えたという最終追いでさえ5F66秒3~1F11秒9の好時計が出る充実ぶりだ。「センスがあるし成長も感じる。僕自身、これまで乗せてもらったG1の中で一番チャンスがあると思っている。1着だけを目指して乗りたい」と力強い。

 “ベガはベガでも…”の名文句が生まれたのは、ホクトベガが勝利した93年のエリザベス女王杯。マリリンと強力2頭出しとなるウインは勝てば、03年NHKマイルC(ウインクリューガー)以来18年ぶりのJRA・G1制覇となる。ウインはウインでも…。キートスに大駆けの気配が漂う。

 ◇丹内 祐次(たんない・ゆうじ)1985年(昭60)11月5日生まれ、北海道函館市出身の36歳。美浦・清水美波厩舎から04年デビュー。現在はフリー。04年3月6日中京のディヴァインリー(12着)で初騎乗。同年4月10日福島のスピードタイガーで初勝利。JRA通算8926戦353勝(11日現在)。JRA重賞は15年マーチS、16年函館記念、20年函館2歳S、21年目黒記念の4勝。1メートル65、47キロ。血液型O。

 ◇宗像 義忠(むなかた・よしただ)1954年(昭29)7月26日生まれ、福島県出身の67歳。美浦・高橋英夫厩舎で調教助手を経て92年に調教師免許を取得。翌93年に開業し、3月6日中山のマイリッキーサン(8着)で初出走。同年6月27日福島のトライアムで初勝利。JRA通算7142戦630勝(11日現在)。JRA重賞は21勝。ウインブレイズ、バランスオブゲーム、フェイムゲームなどを管理した。

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