【エ女王杯】アカイイト 重賞初制覇がG1!アカはアカでも…10番人気が大波乱呼ぶ、3連単339万円超

2021年11月15日 05:30

<阪神11R・エリザベス女王杯>後続を引き離し1着でゴールするアカイイト(左)

 歴史に残る大波乱!「第46回エリザベス女王杯」は14日、京都がスタンド改修中のため今年も阪神競馬場で行われた。10番人気アカイイト(牝4=中竹)が差し切り、重賞初勝利をG1で決めた。鞍上の幸は18年ヴィクトリアマイル以来、JRA・G1・8勝目。キズナ産駒はG1初Vで、2着も同産駒の7番人気ステラリアが入線。3着に9番人気クラヴェルが入り、3連単339万3960円のビッグ配当が完成した。

 運命にたぐり寄せられ、自慢の末脚がサク裂した。アカイイトはいつも通り、後方を決め込んだ。3角を過ぎて、外から徐々にポジションを上げていく。直線で身上の決め脚を開放。残り200メートルを過ぎ、レイパパレをかわして先頭へ。2着から8着までが首、鼻差で連なる大接戦を演じる中で2馬身差の快勝。重賞初Vとは思えない、強いG1初勝利だった。初コンビの幸は18年ヴィクトリアマイル(ジュールポレール)以来のG1勝利に、自然と笑みがこぼれた。

 「ちょっとゲートをうまく出せなかったですけど、向正面でイメージ通りの位置を取れました。コース形態とか脚質を考えて、早めに動きたいと考えていました。それがはまってくれて良かった。思ったより早く前をつかまえて、最後は1頭になったので必死に追っていました」

 過去のレースVTRをくまなくチェック。最終追いに騎乗して、特徴もつかんだ。「折り合いに気をつけて乗りたいですね」。入念な準備が“一発回答”を導いた。早めのスパートもうまくはまった。今年はJRAで73勝。年間で最も勝った76勝に近づいている。

 「キャリアハイの勝ち鞍を挙げられればと思います。3年前にケガをしてから復帰して、試したいことや教わったことをやってきました。まだ答えは全然見つからないですけど、少しずつでも結果につながっていればうれしいです」

 毎週たくさんの騎乗依頼を受ける“アイアンマン”は今もなお進化している。中竹師にとっては09年NHKマイルC・ジョーカプチーノ以来(18年ホープフルS・サートゥルナーリアは角居厩舎から一時的な転厩馬)のG1勝ち。トレーナーは鞍上に絶大な信頼を寄せ、ターフに送り出した。

 「彼は研究熱心で凄く経験も積んでいる騎手。追い切りに乗ってもらったし、いろいろ考えているだろうと注文はつけずに乗ってもらいました。早い仕掛けだな、これで持つのかなと心配な思いで見ていました。直線は長かったですね」

 今後は馬の様子を見て、オーナーとも相談して決定される。その岡浩二オーナーと幸はヨカヨカでタッグを組んだ。8月の北九州記念で重賞初V、輝く未来を嘱望された“九州の星”はその後に骨折。引退を余儀なくされた。幸は「これから頑張ってくれるかなというところで引退したんですけど、この馬の依頼もヨカヨカで重賞を勝ったこともあったと思う。そういう意味では“アカイイト”なんだと思います」としみじみ。3連単339万円超のビッグ配当は後世に語り継がれるだろう。キズナ産駒のG1初制覇、幸とオーナーの深い絆があったことも添えて、大波乱のストーリーに強く刻まれていく。

 ◇アカイイト 父キズナ、母ウアジェト(母の父シンボリクリスエス)17年4月17日生まれ 牝4歳 栗東・中竹厩舎所属 馬主・岡浩二氏 生産者・北海道浦河町の辻牧場 戦績20戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億9289万5000円。馬名の由来は(父名より連想)赤い糸。

 【エ女王杯アラカルト】
 ☆騎手&調教師 幸のJRA・G1勝利は18年ヴィクトリアマイル(ジュールポレール)以来で通算8勝目。中竹師は18年ホープフルS(サートゥルナーリア)以来3勝目。
 ☆キズナ産駒 JRA・G1に延べ41頭が出走して初勝利。重賞のワンツーは昨年の葵S(1着ビアンフェ、2着レジェーロ)以来2度目。
 ☆重賞未勝利馬 15年マリアライト以来、6年ぶり8頭目の勝利。
 ☆波乱 3連単339万3960円と3連複28万2710円はこのレースの最高払戻金額を更新。3連単はJRA・G1史上6位の高額配当。

 《ツイッターではトレンド世界一、実況も絶賛》大波乱の決着にツイッターでは「アカイイト」が世界トレンド1位となるなど話題となった。ネット上では「アカはアカでもアカイイト!」「ベガはベガでもホクトベガを思い出した」「歴史は繰り返しますね」と大盛り上がり。28年前のエリザベス女王杯で有名な実況フレーズとなった「ベガはベガでもホクトベガ」を連想させる勝利に注目する声が続々。中には「実況の、これは運命のアカイイト!ってセリフいいな」「赤は赤でも運命のアカイイトだったんだ」「これは運命のアカイイトって実況は鳥肌もの」と関西テレビ・岡安譲アナウンサーの実況が絶賛されていた。

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2021年11月15日のニュース