【チャンピオンズC】テーオーケインズ 新砂王!6馬身差圧勝に松山絶賛「めっちゃ強かった」

2021年12月6日 05:30

<中京11RチャンピオンズC>直線で抜け出し、6馬身差で圧勝したテーオーケインズ(右端)

 文句なしに強かった。師走の中京ダート決戦「第22回チャンピオンズC」は5日、16頭で争われ、1番人気テーオーケインズが五分のスタートから道中スムーズに流れに乗り、直線アッサリ抜け出して圧巻の6馬身差V。夏の帝王賞に続くG1・2勝目を飾った。3番人気チュウワウィザードが2着で上位2頭は人気サイドながら14番人気アナザートゥルースが3着と力走。初ダートで2番人気に支持された白毛のアイドルホース・ソダシはスッと先手を奪ったが直線、馬群にのみ込まれて12着に敗れた。

 昨年の覇者も今年のフェブラリーS覇者も、そして白毛のアイドルホースも、みんなまとめてねじ伏せた。ラスト300メートル、軽く仕掛ける程度でテーオーケインズが抜け出すと、そこから先は独り舞台。2着チュウワウィザードに6馬身もの差をつけ、流すくらいの手応えで悠々とゴールを駆け抜けた。

 01年クロフネの7馬身差V(当時ジャパンCダート)に次ぐレース史上2番目の圧勝劇。レース後、検量室前で高柳大師、平助手ら厩舎スタッフの歓喜の輪ができ、松山は「めっちゃ強かった」と相棒を絶賛しながら引き揚げてきた。共同会見でも「本当に強かったです」と何度も繰り返すほど。「ゴールして、すぐに実感が湧きました。強い競馬をしてくれて感謝の気持ちしかありません」と称えた。

 休み明けの前走・JBCクラシックは1番人気に支持されがらもスタートが決まらず、苦しい競馬を強いられて4着。リベンジを期して1カ月後のここに備えた。「ゲートで少し待たされて一度、後ろにモタれたけど、そこで何とかこらえてくれました。厩舎の皆さんも練習してくださっていたし、僕もゲートの中でプレッシャーを与えないようにしました」。五分のタイミングでゲートを飛び出し、テンからスッと行き脚がついた。道中5、6番手の位置取り。これも松山が思い描いた通りだ。「何頭か前に行けば、その後ろで脚をためたかった。具合がいい分、少し気負うところがあったけど馬の後ろにつければ、それ以上は行きたがらなかったです。前走で悔しい思いをしたけど凄く強い馬だと証明できて良かったです」。敗戦を糧にし、キッチリ巻き返した。

 18年3月開業の高柳大師にとってテーオーケインズで制した今年6月の帝王賞に続くG1勝利でJRA・G1初制覇。かつて調教助手として在籍していた名門・安田隆厩舎が連覇(10年&11年トランセンド、当時はジャパンCダート)を飾った縁のある師走のJRAダート決戦で、うれしいタイトルをモノにした。

 「ゲートで待たされている間は心臓がバクバクしたけど頑張ってくれました。僕自身も驚くくらいの強さ。安田先生に続けるように頑張ります」

 まだ4歳とあって成長途上。完成するのは、もっと先だ。「精神面がどんどん成長しているし、体もひと回り大きくなったように見えますね。この先も成長していくと思います」。次走は昨年6着に敗れた暮れの東京大賞典(12月29日、大井)か、それとも来年に備えるか――。今後のプランは状態次第で未定ながら頂点に立った若きダート王の視界はクッキリと開けている。

 ◆テーオーケインズ 父シニスターミニスター 母マキシムカフェ(母の父マンハッタンカフェ) 17年4月27日生まれ 牡4歳 栗東・高柳大厩舎所属 馬主・小笹公也氏 生産者・北海道日高町のヤナガワ牧場 戦績15戦8勝(重賞3勝目) 総獲得賞金3億311万7000円。馬名の由来は冠名+人名。

 【チャンピオンズCアラカルト】

 ☆騎手&調教師 松山は20年秋華賞(デアリングタクト)以来JRA・G1通算5勝目。高柳大師はJRA・G1初V。JRA重賞は今年の武蔵野S(ソリストサンダー)に続き通算3勝目。

 ☆種牡馬 シニスターミニスター産駒は延べ16頭目の出走でJRA・G1初勝利。JRA重賞は通算9勝目。

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