【スプリングS】ビーアストニッシド 逃魂全開Vで皐月切符!岩田康、絶妙ペースで能力引き出した

2022年3月21日 05:30

<中山11R・スプリングS>アライバル(右)との競り合いを制して逃げ切ったビーアストニッシド(撮影・村上 大輔)

 「第71回スプリングS」が20日、中山競馬場で行われ、5番人気ビーアストニッシドがハナ差の接戦を制して重賞初制覇。岩田康誠(48)は前日の若葉Sに続き皐月賞TRを制した。2着アライバル、3着サトノヘリオスまでが皐月賞(4月17日、中山)の優先出走権を獲得した。

 「どうじゃああ」。岩田康はビーアストニッシドをねぎらい、そして雄叫びを上げた。「ルメールと重なっていて、どっちだかお互い分からなかったので」。鼻差の勝利を知ると喜びが爆発した。

 絶妙な逃走劇だった。ゲート内でつまずくも、最内枠から迷わずハナへ。60秒8と淡々とペースを刻むと早めに手が動いた。そこからしぶとい。2番手にいたアライバルが迫ると、持ち前の勝負根性に火が付きもうひと伸び。息子・望来が騎乗するサトノヘリオスも振り切った。岩田康は「(前半)61秒くらいがこの馬のスタイル。ラスト3Fから仕掛けていけば脚は残る」とうなずいた。阪神で見守った飯田雄師も「最後にルメールが来て、どうかと思ったが、よく頑張ってくれた」と愛馬をねぎらった。

 馬名の由来は英語で「驚かされる」。“走らせろ”と気持ちが燃え上がり過ぎて、厩舎では手を焼く。鞍上は「本当にわがまま。ただ、レースに行けば全能力を発揮して、こういうパフォーマンスをしてくれる。意外性ですよね」と語る。レースに行けば闘志全開。激し過ぎる気合と根性は、あっと言わせる武器となった。

 次は権利を獲った皐月賞。師は「200メートル延びるが、今日みたいな競馬ができれば距離は持つと思う。以前も走らせている(京都2歳S2着)からね。以前はフラフラしていたが、馬はしっかりしてきたと思う」と自信を見せた。混沌(こんとん)とするクラシック路線に、また新たな惑星が現れた。

 ◆ビーアストニッシド 父アメリカンペイトリオット 母マオリオ(母の父ネオユニヴァース)19年2月28日生まれ 牡3歳 栗東・飯田雄三厩舎所属 馬主・村中徹氏 生産者・北海道日高町のヴェルサイユファーム 戦績6戦2勝 総獲得賞金9099万9000円 馬名の由来は英語で「驚かされる」。

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