【大阪杯】迷わず行けよ行けば残るさ!“燃える逃魂”アフリカンゴールド
2022年3月30日 05:30 先週から始まった春の新連載企画「G1展開王」。予想のファクターとして重要な展開を多角的に分析する。開幕戦だった高松宮記念で、いきなり大波乱の結末を読み切った。水曜付で取り上げたナランフレグが1着、木曜付のロータスランド2着、金曜付のキルロード3着と3頭が馬券圏内を独占。3連単278万馬券のヒントが隠されていた。今週の中距離G1「第66回大阪杯」もお任せあれ。初回は注目のハナ争いにスポットを当てた。波乱の使者アフリカンゴールドが再び逃げて高配当を演出する!?
大阪杯への有力ステップG2・3レースは全て逃げ切りで決まった。中山記念勝ち馬パンサラッサは27日未明、ドバイターフで同着V。中東の地で世界レベルのスピードを見せつけたが当初は大阪杯参戦のプランもあったという。もし出走していれば、どんなハナ争いが繰り広げられたか見てみたかったが、同じ逃げ馬にとっては好都合と言える。
逃げ候補は残った前哨戦の勝ち馬2頭。中でも京都記念を12番人気で逃げ切ったアフリカンゴールドは管理する西園正師が「今回も逃げるつもり」と力強く逃げ宣言。引き続き手綱を託された国分恭も「そういう指示が出るなら行きたいと思います」と力を込めた。
京都記念で刻んだ最初の2Fは12秒7→11秒3(計24秒0)のラップ。これは金鯱賞を逃げ切ったジャックドールの12秒5→11秒0(23秒5)より遅い。確かに鞍上も「スタート自体はそんなに速くない」と認める。ただ、ライバルは3番枠からスムーズに内ラチ沿いを走れたのに対して、アフリカンゴールドは外め11番から内を目がけて斜めに走った分のロスはあった。さらに相手はレコードの出る良馬場だったが、こちらは午前中から小雨が降り続き、やや重のコンディション。馬場差もあった。
ここまで他陣営は逃げにこだわる姿勢を見せておらず、前走に続いて国分恭が逃げのミッションを遂行するはず。前走と同じ阪神内回りが舞台だが、1F距離が短縮する分、1コーナーまでの距離は325メートルに短くなる。それだけに鞍上は「スタートを決めたい」とゲートに全集中の構えだ。
この舞台は1コーナーまでに隊列が決まりやすく、その後の流れは緩みやすい。過去5年の大阪杯のうち3回は前半3Fが36秒台。アフリカンゴールドは前走の前半3Fを36秒0で通過しており、G1の大舞台でも対応できるだけのスピードを十分兼ね備えている。
今年は上位人気が好位グループを形成。先行するジャックドール、レイパパレは背後に構える年度代表馬エフフォーリアの存在が気になり、動きづらい。ノーマークになれば逃げ馬には絶好の展開。昨年の大阪杯は最初の直線部分で先頭に立ったレイパパレがコントレイル&グランアレグリアの2強を完封した。2年連続の逃げ切りがあるかもしれない。
▽阪神芝2000メートルの特性 内回りコース(1周1689メートル)を使用し、瞬発力よりもロスなく立ち回れる器用さが問われる傾向。スタート地点は正面スタンド前、直線の4角出口付近。1角までの距離が325メートルしかなく、スタート直後のポジション争いが重要になる。向正面は平たん。残り800メートルから、直線の半ばにかけて緩やかな下りが続く。ゴールの200メートル手前から約1.8メートル(勾配1.5%)の急坂があり、最後まで踏ん張れるパワフルさも問われる。