【桜花賞】スターズオンアース女王!テン乗り川田が大仕事「何とか届いていてほしいと」

2022年4月11日 05:30

<阪神11R・桜花賞>2着のウォーターナビレラ(奥)にハナ差で勝利したスターズオンアース(撮影・奥 調)

 高松宮記念、大阪杯に続き、またも波乱!牝馬クラシック第1弾「第82回桜花賞」が10日、阪神競馬場で行われ、7番人気スターズオンアースがゴール前の激戦を鼻差で制し、桜の女王に輝いた。初コンビを組んだ川田将雅(36)は14年ハープスター以来、8年ぶり2度目の桜花賞制覇。11年に厩舎を開業した高柳瑞樹師(46)はG1初勝利となった。2着に3番人気ウォーターナビレラ、3着に6番人気ナムラクレアで3連単7万円超えの決着。1番人気ナミュールは10着に敗れた。

 桜のヒロインは7番人気の1勝馬だった。激しい攻防が繰り広げられた最後の直線。スターズオンアースは密集した馬群で進路を失う。万事休すと思われたが、新コンビ・川田の懸命なリードでスペースをこじ開けた。何度も他馬と接触しながらも人馬ともに気持ちは切れない。急坂に入った残り200メートル。進路を確保し、一瞬でギアを上げる。先に抜け出した3番人気ウォーターナビレラをゴール寸前、ギリギリとらえた。1番人気ナミュール、昨年の最優秀2歳牝馬サークルオブライフなど強豪を抑え、桜の女王が誕生。スタンドから大きな歓声が湧き起こる。テン乗りで勝利に導いた川田は14年ハープスター以来の桜花賞2勝目。安どの表情を浮かべた。

 「届いた感触はありましたけど着差がわずかだったので何とか届いていてほしいと。何よりも勝ち切ってくれて、ありがたく思います。他馬との接触もありましたが、それでも彼女の気持ちの強さが最後、前に出ることにつながりました。(これから)彼女が歩むべき道を歩んで行ければ」

 鞍上はパートナーの力走をねぎらい、今後に向けて期待を膨らませた。

 管理する高柳瑞師にとっては延べ8頭目のJRA・G1起用で初勝利。検量室付近では同じ美浦の国枝師をはじめ、多くの関係者に「おめでとう」と祝福された。11年開業で今年12年目。「これが長いのか短いのか、何とも言えない感じです。ただ、みんなが目指しているレースを勝つことができて素直にうれしいです」と喜びを口にした。

 栗東に厩舎を構える弟・大輔師は昨年テーオーケインズで帝王賞とチャンピオンズC制覇。兄よりひと足早くG1をつかんでいる。弟の活躍を喜ぶと同時に焦りもあった。「ホッとした気持ち。弟も頑張っているので、それに負けないように、という思いです」と表情を引き締めた。

 G3・2着2回と善戦止まりのキャラを返上し、堂々G1ウイナーとして戦歴を刻んでいく。指揮官は「ポテンシャル的に距離は延びても大丈夫だと思います」とオークス(5月22日、東京)を見据えた。追う立場から追われる立場に変わり、次のステージは府中へ。激戦をモノにした、ど根性娘が2冠制覇にチャレンジする。

 ◆スターズオンアース 父ドゥラメンテ 母サザンスターズ(母の父スマートストライク)19年2月27日生まれ 牝3歳 美浦・高柳瑞厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績6戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億9835万3000円。馬名の由来は地球上の星。

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