【WASJ】岡部誠の地方魂!JRAに負けない「気持ちや馬に対する真摯さ。一つでも上を」

2022年8月24日 05:30

WASJに参戦する岡部誠

 夏競馬の馬券につながる情報や旬なトピックを独自の視点で掘り下げる「夏ラボ」。今週末、3年ぶりに札幌競馬場で行われる「JRA2022ワールドオールスタージョッキーズ」に地方代表で選出された岡部誠(45=名古屋)を取り上げる。コロナ禍の影響により、20年12月以来となるJRA参戦。闘志を燃やす名手に意気込みを聞いた。 

 ――2022地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップは佐賀、浦和で1勝ずつ。ぶっちぎりの優勝だった。
 「しっかりと馬を走らせてあげたいというのが一番。(このシリーズは)過去、何度も出場しましたが、惜しいところまでいっても優勝はなかった。優勝できて、とてもうれしかった」

 ――WASJは初参戦。
 「JRA、海外からトップジョッキーが集まり、腕が試される舞台。そこに自分自身も参加できることに感謝している。ただ出場するだけでなく、一頭一頭の個性をしっかりと引き出したい。その上で一つでも上の着順を目指したい」

 ――舞台となる札幌競馬場のイメージは?
 「癖のなさそうなコース。小回りだが、地方に比べて直線は長い。レース当日までに少しでも多くの情報を得たいと思っている。今はレース映像をしっかりチェックしている。数多くレースを見て、仕掛けどころや追い出しのタイミングなどを勉強して、騎乗のイメージを思い浮かべています」

 ――JRAでの騎乗は20年12月の中京(飛騨S=エイシンハルニレ15着)以来となる。
 「コロナ前はJRAで乗る機会も多くありましたが、久しく騎乗していない。(地方とは)場の雰囲気も違います。緊張せず普段通り、自分の持ち味を発揮できればと思っています」

 ――昨年は298勝で全国リーディング3位。今年もここまで210勝(22日終了現在、1位は船橋の森泰斗226勝)で2位につけている。
 「いい馬に乗せていただけていることが数字に表れている。厩舎関係者に感謝です。馬の動きの邪魔をせず、気分良く走らせてあげることがモットー。フェアに騎乗することも基本中の基本としています。弥富に競馬場が移転してから、以前の名古屋競馬場とは騎乗スタイルが変わった。コース取りなど日々の変化に気をつけながら騎乗しています」

 ――一番の武器は。
 「長年やってきたことで変な焦りがなくなり、いつも冷静に判断して慌てなくなった。しっかりと周りが見えている。変なところで脚を使ったり、早めに動くことがなくなった」

 ――憧れるジョッキーは。
 「競馬のスタイルが好きなのは横山典弘騎手。自分のインスピレーションを信じ、形にはまらず馬に合ったレースができるのは凄い。馬の個性を引き出せるジョッキーになりたい」

 ――最後に意気込みを。
 「JRAに比べれば(地方競馬は)規模や賞金など、いろんなことが劣るとは思います。ただ、同じホースマンとして(JRAに)規模で負けていても、気持ちとか馬に対する真摯(しんし)さは劣るところはない。ジョッキーだけではなく、地方競馬に関わる全ての方々の代表として臨みたいと思っています」

 《地方所属騎手の最高は16年高知の永森3位》WASJが創設された15年以降、地方所属騎手は19年まで7人が参戦。16年に永森大智(高知)が3位で表彰台に立ったのが最高となっている=別表。ちなみに前身のワールドスーパージョッキーズシリーズ(87~14年)では94年の石崎隆之(船橋)、97年の川原正一(笠松、現兵庫)、01年の鮫島克也(佐賀)05年の岩田康誠(兵庫、現JRA)が優勝を飾った。

 ◇岡部 誠(おかべ・まこと)1977年(昭52)3月3日生まれ、愛知県刈谷市出身の45歳。愛知・藤ケ崎厩舎所属。94年10月、名古屋でデビュー。同日7Rセルリアンフェアリで初勝利。99年あざみ賞(スマイルマドンナ11着)でJRA初騎乗。JRA通算536戦19勝。04年、名古屋で初のリーディング獲得。現在、3年連続で計15度のリーディングに輝く。今年は地元の東海ダービー、駿蹄賞(タニノタビト)、名古屋記念(ナムラマホーホ)で重賞3勝。地方通算2万4286戦4565勝(22日現在)。1メートル58、50キロ。血液型A。

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