【きさらぎ賞】オープンファイア 父譲りの切れ上々!馬なりラスト11秒8、ムルザバエフ絶賛

2023年2月2日 05:30

B.ムルザバエフが騎乗し、ヒンドゥタイムズ(右)と馬体を併せて追い切られたオープンファイア

 父譲りの剛脚を発揮するか。「第63回きさらぎ賞」はディープインパクト産駒のラストクロップ、オープンファイアが1日、栗東CWコースの追い切りで鋭い脚さばきを披露。3週連続で稽古をつけたバウルジャン・ムルザバエフ(30=カザフスタン)が絶賛し、重賞初Vへ視界良好だ。

 幼さが目立つ現状ながら、能力はやはり本物だ。オープンファイアはCWコースでヒンドゥタイムズ(7歳オープン)を追走。直線、内から並びかけ、馬なりのまま鋭く脚を伸ばしてラスト1F11秒8(6F83秒5)で併入した。騎乗したムルザバエフはゴール後にたてがみをなで、その走りを絶賛した。「全体的に凄くいい馬です。先週もいいギャロップでしたけど、今週もハードに追わなくても、いいアクションでした」と滑らかな口ぶりだ。

 初コンビながら3週連続で稽古をつけ、特長を把握している。「週を追うごとに良くなっています。成長途上の馬ですが、楽しみですね」。昨年末から年明け5日を除き、2度の短期免許期間中に重賞では阪神C3着(ラウダシオン)、ホープフルS1着(ドゥラエレーデ)、シンザン記念2着(ペースセッティング)、東海S1着(プロミストウォリア)と4戦全て馬券絡み。大舞台で勝負強さを発揮しているカザフスタン出身の30歳も、将来有望な若駒に手応え十分。

 デビュー2戦ともスタートは速くない。道中もハミを取らず後方追走となりながら、ひとたびスイッチが入ればディープインパクト産駒らしい切れ味で追い込んでくる。前走・アイビーSは3着に敗れたが、上がり3F(33秒3)は次位に0秒5差と際立っていた。過去のきさらぎ賞では14年トーセンスターダム、16年サトノダイヤモンド、19年ダノンチェイサーとセレクトセールで2億円以上で購入された同産駒がV。21年セレクトセール(1歳)で3億円(税抜き)の値がついたこのラストクロップも気品があふれ、能力を秘めている。

 斉藤崇師は「スタートや道中の追走の難しさがあります。馬の気持ちの部分がどれだけ入ってくるか」と課題を挙げつつ「クラシックに乗せたいと思いますし、先々につながるような競馬ができれば。そのためにも賞金を加算したいですね」と期待を込めた。舞台はデビュー戦Vと同じ中京芝2000メートル。3戦目で成長した姿を見せ、クラシックロードを駆け抜ける。

 《国内外6頭ずつ》ディープインパクト産駒は現3歳がラストクロップで国内に6頭、海外にも6頭。昨年10月にアイルランド調教のオーギュストロダン(牡)が英国で2歳G1(フューチュリティトロフィー)を勝ち、初年度産駒から全13世代G1制覇の偉業を成し遂げた。国内では牝馬のライトクオンタムが年明けのシンザン記念でデビュー2連勝を飾って重賞ウイナーの仲間入り。オープンファイアが続くか。

特集

2023年2月2日のニュース