【フィリーズR】シングザットソング 重賞初制覇で桜切符 スタート上達が勝因

2023年3月13日 05:29

<阪神11R・フィリーズR> 後続の追撃を振り切り勝利するシングザットソング(左) (撮影・亀井 直樹)

 桜花賞トライアル「第57回フィリーズレビュー」が12日、阪神競馬場で行われ、シングザットソングが好位から抜け出し、首差で勝利。上位3頭に桜花賞(4月9日、阪神)優先出走権が与えられる。中京の「第59回金鯱賞」はプログノーシスが差し切り、大阪杯(4月2日、阪神)優先出走権をゲット。社台レースホースは昨年12月3日(ステイヤーズSシルヴァーソニック&チャレンジCソーヴァリアント)以来の同日ダブル重賞制覇となった。

 チャンスをものにした。道中6番手から4角手前、シングザットソングが満を持して動く。馬群の外を回って早め先頭に立つとゴール前、外から迫ったムーンプローブを首差抑え、重賞初制覇のゴールを駆け抜けた。11分の9の抽選をくぐり抜け、桜花賞切符をゲット。吉田隼は「最後は何とか粘ってくれ、と願っていました。自分から前の馬を負かしに行ったので、いい内容だったと思います」とパートナーを称えた。

 スタートをバチッと決めたことが一番の勝因。2走前の白菊賞5着、前走・エルフィンS3着とスタートで後手に回った点を踏まえ、入念に取り組んだゲート練習の成果が即、結果に表れた。鞍上は「ここ2走は馬が嫌々してゲートが良くなかったけど(今回は)いいスタートを切れた。ひとつ前の壁をクリアできた」と評価。高野師は「真っすぐに出たし、ダッシュもついた。ゲート練習を続けてやってきたことが良かったです」と胸を張った。

 抽選突破からフィリーズレビュー制覇は厩舎の先輩でもある18年覇者リバティハイツと全く同じ。指揮官は「一緒ですね。抽選を突破することができて本当に良かった。このレースは抽選が最初で最大の関門ですから」と笑みを浮かべた。11年に厩舎を開業した高野師はJRA重賞22勝のうち牝馬で15勝し、中でも3歳重賞は秋華賞2勝(14年ショウナンパンドラ、22年スタニングローズ)を含む10勝。牡馬だけでなく、より繊細とされる牝馬の仕上げにたけたトレーナーだ。

 この日が1F短縮で初の1400メートル起用。ゲートの課題を克服し、桜花賞に向けて夢が広がった。「1600メートルを乗り切るだけの心肺機能は備わっている」とマイルに戻る点は一切、気にしていない。トライアルVの勢いに乗って堂々、本番に臨む。

 シングザットソング 父ドゥラメンテ 母ザガールインザットソング(母の父マイゴールデンソング)牝3歳 20年1月27日生まれ 栗東・高野厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道白老町の社台コーポレーション白老ファーム 戦績4戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金6643万5000円 馬名の意味は、あの歌を歌って。

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