【大阪杯】ジャックドール逃走初戴冠!54歳武豊はJRA最年長G1制覇
2023年4月3日 05:26 春の古馬中距離王決定戦「第67回大阪杯」が2日、快晴の阪神競馬場で行われ、武豊騎乗の2番人気ジャックドールが華麗な逃走劇を披露。ファンに愛される個性派が4度目の挑戦で悲願のG1初制覇を飾った。絶妙なエスコートを見せた武豊は節目のJRA・G180勝に加え、G1最年長勝利記録(54歳19日)を樹立。G1昇格後の大阪杯は17年キタサンブラック以来2勝目となった。
きっちり鼻差、持たせた。これぞ天才・武豊の真骨頂。ジャックドールを逃げ切りVに導き、自身は節目のJRA・G180勝目。54歳19日でのG1勝利はグレード制が導入された84年以降、02年天皇賞・秋(シンボリクリスエス)を53歳11カ月27日で制した岡部幸雄元騎手を抜いて最年長記録となった。武豊は「最後は足音が聞こえてヒヤヒヤしたが、何とか頑張ってくれました。年がバレて照れくさいけど、本当にうれしい。この記録をもっと伸ばせるように頑張ります」と喜びを口にした。
名手の手綱さばきが光った。初コンビを組んだ昨年12月の香港Cはスタートで後手に回って7着。「結果を出せず、もう乗れないかなと思っていた中で、もう一度チャンスをもらいました。結果を出したいという思いが強かった」。課題のスタートが決まれば、やることは一つ。5枠9番からジワッとハナを奪うと人馬のリズムを最優先し、前半1000メートル通過は5着に敗れた昨年(58秒8)と0秒1しか違わない58秒9。「いいスタートを切って、レースが組み立てやすくなった。パドックから返し馬、ゲート裏では香港の時よりも落ち着いていたし、きょうの馬場状態だと(1000メートル通過)59秒ぐらいで入りたかった」と振り返る。
正確無比な体内時計で理想的なラップを刻み、余力を残して直線へ。ゴール前は外から迫った1番人気スターズオンアースを鼻差でしのいだ。スタートから最後まで全てが計画通り。完璧なエスコートでパートナーにG1馬の勲章をもたらした。
「個性的なスタイルで人気のある馬。G1に手が届く馬だと僕も周りも思っていました。また乗りたいですね」。若々しい笑顔を見せた54歳。今年もレジェンドがG1シリーズを盛り上げる。