【皐月賞】グリューネグリーン 絶好枠から逃走!水分含んだ馬場状態で粘り込むタイプ狙い

2023年4月15日 05:28

グリューネグリーン

 昨年、絶好調だったG1企画「展開王」。今春も展開から勝ち馬を導き出す。3歳牡馬クラシック第1弾「第83回皐月賞」は美浦取材班の鈴木智憲記者が担当。リバティアイランドが圧倒的な強さを見せつけた牝馬戦線に比べ、牡馬は混戦ムード。こういう時こそ重要視されるのが展開推理。雨の影響で馬場が渋ることが予想されるため、先行有利と読んだ。

 中山競馬場がある千葉県船橋市の土曜日の天気は、終日雨予報。日曜日の午前中には上がる予報だが、今年の皐月賞はたとえ良馬場発表でも、水分を含んだ状態になるのは必至。パンパンの良馬場は見込めそうにない。こうした条件なら瞬発力勝負の馬より、前めにつけて粘り込むタイプを狙った方が的中に近づけそうだ。

 今年の皐月賞は一見すると、徹底先行型のグラニットが逃げそうだが、果たしてそうなるだろうか。前走で逃げ、あるいは道中で早めに先頭へ立った馬はグラニット以外にラスハンメル、タッチウッドがいる。さらに逃げた経験がある馬となると、グリューネグリーン、フリームファクシ、トップナイフ、ホウオウビスケッツ、シャザーンと多数。一筋縄ではいかないように思う。こういう時にものをいうのが枠順だ。ここまで挙げた馬の中で1番内に入ったのが2枠3番のグリューネグリーン。京都2歳Sを逃げ切り勝ちの実績がある。2着に下したトップナイフは、後にG1ホープフルSでも2着になっているだけに、レースレベルは高かった。

 その後の2戦はホープフルS11着、弥生賞8着に敗れたが、ハナを奪えず本来の力を発揮できなかったのが敗因。相沢師も「この馬の良さを生かせないで終わった感じ。消化不良な競馬が続いている」と歯がゆそうだった。その反省も踏まえ、絶好の枠を得た今回は、何が何でもハナを奪いに行くとみている。鞍上も石川にスイッチ。昨年、チャンピオンズC(ジュンライトボルト)でG1初制覇を飾った愛弟子に託し、打つべき手は打った。最終追い後に指揮官は「休み明けを使って体がすっきりしたし、より動けるようになった。緩いトモもだいぶしっかりしてきた」と手応えを得ている。

 血統的なドラマもある。母の母ウメノファイバーは99年のオークス馬。相沢師に初めてG1の勲章をプレゼントした馬だ。その孫が相沢師&石川の師弟コンビに、2度目のG1勝利をプレゼントする。(3)から。

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