【マーメイドS】ウインマイティー“超抜”CWラスト1F10秒9!史上初連覇へ休み明けから全力投球

2023年6月15日 05:30

CWコースで追い切るウインマイティー(撮影・亀井直樹)

 夏の名物ハンデ重賞「第28回マーメイドS」の追い切りが14日、東西トレセンで行われた。史上初の当レース連覇を狙うウインマイティー(牝6=西園正)が栗東CWコースで極上の伸び。ラスト1F10秒9と度肝を抜く数字を叩き出した。4カ月の休み明け初戦から全力投球だ。

 佐々木朗希ばりのストレートを放り込んだ。ウインマイティーがCWコースで計時したラスト1Fは10秒9。めったにお目にかかれない「しまい1F10秒台」の数字。単走で序盤は1F14~15秒のラップを刻んでいく。ラスト2Fでエンジン全開。促されて11秒4→10秒9でフィニッシュ。西園正師も興奮を隠せない。

 「なかなか見ることのない数字。10秒9はなかなか出ないですよ。乗り手からは“もっと出る”という感触でした。ゆっくりと入って、しまいだけ伸ばすという指示。攻めをやるごとに体が丸くなってきています。どういう競馬をしてくれるか、ワクワクしますね」

 前走・京都記念6着後、所属していた五十嵐厩舎が2月末で定年解散、今回が西園正厩舎での転厩初戦となる。トレーナーは「いい馬を引き継がせていただいてプレッシャーもあるけど、こちらのやり方で調整しています」と話した。追い切りもポリトラックコース主体から、転厩後は負荷のかかるウッドチップへ。先々週、先週とCWコースで6F80秒を切った。攻め込んだ調整を施している。担当の塩満厩務員は「基本、おとなしいですね。賢いんやろうね。雰囲気とか、オープン馬ならではの“圧”みたいなものがあります」と説明した。追い切りでモタれる面が解消し、今回はハミをノーマルに戻す。

 カメラを向けられると脚を止めてポーズまで取るお利口さん。その可愛らしさがSNSでも人気を呼び「マイマイ」という愛称が付く。実際にレンズを向けるとジッとこっちを見て、愛くるしい表情を見せる。なんだか癒やされる。いや、可愛いだけではない。20年オークス3着の実績があり、昨年はこのレースを制している。ここに入れば、実績はピカイチだ。“ツヨカワクイーン”がトップハンデを克服、史上初の連覇へとひた走る。

 《トップハンデVなら10年ぶり》今年ハンデ重賞は12鞍を終え、5頭がトップハンデをはね返した。スポニチ賞京都金杯イルーシヴパンサー58キロ、日経新春杯ヴェルトライゼンデ59キロ、ダイヤモンドSミクソロジー56キロ、新潟大賞典カラテ59キロ、目黒記念ヒートオンビート58キロの5勝で、ヴェルトライゼンデ以外はトップハンデタイだった。ここはウインマイティーが単独トップハンデ56キロ。06年に負担重量が別定からハンデに変わり、トップハンデVなら13年マルセリーナ以来、10年ぶり2頭目となる。

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