【ユニコーンS】ブライアンセンス 切れたWコース1F11秒5!斎藤誠師の秘密兵器
2023年6月15日 05:25 東京の3歳ダート重賞「第28回ユニコーンS」はブライアンセンス(牡=斎藤誠)に大物の相。美浦Wコースでラスト1Fは11秒5と瞬発力を見せた。3月デビューの素質馬が重賞初Vへと駆け上がる。
数は腕、大小は運という。釣れた魚の大きさは運に左右されるが、魚の数は腕次第との意味。平成のリーディングトレーナーで知られる藤沢和雄元調教師が座右の銘にした釣りの格言である。「昨年来の勝ち数には自分自身びっくりしてますが、それだけスタッフが努力して腕を上げてくれたのかもしれません」。昨年42勝で関東リーディング、今年も既に20勝を挙げて関東のトップに立つ斎藤誠師はブライアンセンスの動きを見届けると、照れくさそうに口火を切った。
Wコースでの併せ馬。格上のホウオウノーサイド(4歳オープン)の3馬身後ろでスタッフが巧みに折り合いをつけると、内から馬なりのまま併入した。ラスト1Fは11秒5の瞬発力。「騎乗した助手もいい反応だったと言ってました。まだ緩さを残しているが、前走後は短期放牧でリフレッシュできました」と同師は続けた。3月中旬のデビュー戦から前走まで2カ月弱で4戦2勝。「体調を見極めながら使うレースを吟味していますが、調子のいい時はリカバリーが早いものです」。
釣りになぞらえれば、1勝クラスの前走は激しくサオがしなるような大物の気配。直線の強い向かい風をものともせず2馬身半突き抜けた。「時計も詰めています。(ホッコータルマエ産駒でも)体つきはゴリゴリのダート馬ではありませんが、東京のこの舞台で勝っているのは強み。ジョッキーも手応えをつかんでくれています」と横山武の手綱に託す。数は腕、大小は運。東のリーディング首位厩舎には大物もしっかり仕上げる腕がある。