【クイーンS】奈穂 グランスラムアスクで重賞初挑戦Vだ!「自信を持って乗りたい」
2023年7月28日 05:30 女性ライダーたちが彩る真夏の重賞戦。「第71回クイーンS」でデビュー3年目の古川奈穂(22)が、重賞初騎乗を果たす。相棒は自身の手綱で3勝をマークするグランスラムアスク。全ての経験を糧に、堂々と大舞台に挑む。
札幌競馬場で絶え間なく調教に乗り続けている古川奈。開催2週目には気温が急上昇したが、実に明るい表情で馬と接している姿が印象的だ。年々、強化された体力はもちろん、今週末のクイーンSで重賞初騎乗を果たすのも大きなモチベーションとなっている。古川奈は「こうやって注目してもらえるのはありがたいこと。大きな舞台ですが、しっかり準備をして自信を持って乗りたいです」と力強く話した。
スマホの不適切使用による騎乗停止期間中(30日)は、師匠・矢作師の考えで大井競馬で修業。午前2時半から馬にまたがり、1日で約6時間、最多18頭の調教を付けることもあった。普段とは異なる環境で自身を見つめ直した時間は、体と心に変化を与えた。古川奈は「大井で馬に乗り続けたことで、今は競馬当日でも疲労感なく乗れています。以前は緊張することもあったけど、今は多くの積み重ねで特に意識せず乗れています」と話した。
クイーンSでコンビを組むのは、お手馬のグランスラムアスク。左肩手術明けの初勝利(21年11月)、特別レース初勝利(22年10月粟島特別)と、騎手人生の節目となる瞬間を共に戦ってきた相棒だ。「初めての重賞がグランスラムアスクと一緒というのは心強い。(最終追いの)手応えも雰囲気も良かった」と明るい。
函館では自身初の1日2勝、26日の門別でもG1騎乗が可能となる通算31勝目をマークと勢いに乗る。「まずは馬の能力を出し切るような騎乗をしたい。今はプレッシャーよりも楽しみの方が大きい」と古川奈。ゴールドシップが優勝した12年有馬記念で競馬に出合い、16年ぶりにJRAで女性騎手としてデビューした藤田菜七子の活躍で騎手という仕事を強く志した。全ての経験を糧にし、JRA史上3人目の女性重賞ウイナーを目指す。
《重賞Vは菜七子&聖奈だけ》JRA女性騎手によるJRA重賞制覇は2勝。当時、デビュー4年目だった藤田が19年カペラSをコパノキッキングで勝利。これが女性騎手のJRA重賞初勝利となった。昨年のCBC賞は、テイエムスパーダとコンビを組んだ今村が衝撃のレコード(1分5秒8)で優勝。98年池添以来、史上4人目となるデビュー年のJRA重賞初騎乗初勝利を達成した。