【北九州記念】ジャスパークローネ 小細工なしのスピード勝負!木曜追いで最速11秒7

2023年8月18日 05:14

坂路で追い切るジャスパークローネ(撮影・亀井直樹)

。サマースプリントシリーズ第4戦「第58回北九州記念」は夏に強い森秀厩舎のジャスパークローネがCBC賞との重賞連勝を狙う。

 快速馬らしい回転の速い脚さばきで一気に駆け上がった。ジャスパークローネは開門直後の坂路で単走。序盤はゆったりと折り合い重視で進め、徐々にスピードに乗っていく。手綱を持ったまま馬なりで加速ラップを刻むと4F52秒8を軽々と計時した。ラスト1F11秒7はこの日の栗東坂路で最速のタイム。高野助手は「1週前追い(4F51秒2~1F11秒8)の時点で仕上がっているし調整程度で十分です。全体時計こそ速いタイムを出さなかったが反応を含めて動きは申し分なかった」と胸を張る。

 前走・CBC賞は7枠10番から好スタートを決め、スピードの違いでハナを奪うと前半3Fが33秒7と平均ペースに持ち込んだ。直線は内ラチ沿いで粘りに粘りゴール前、外から迫ったサンキューユウガを半馬身差で振り切って重賞初制覇。自分のリズムで運べたことが最後のひと押しにつながった。

 全5勝が逃げ切りの個性派スプリンター。これまで芝6Fで2桁着順に敗れた2走は昨年の葵S14着、2走前・函館スプリントS16着と控える形で持ち味を発揮できなかった。今年の葵Sを制したモズメイメイ、芝6Fの日本レコードホルダー・テイエムスパーダ(昨年CBC賞1分5秒8)と同型の快速馬がそろったがテンのスピードこそが一番の強み。今回も自身のスタイルを貫くだけ。初参戦の小倉は小回り平たんと脚質からベストのコース形態。高野助手は「まだ開催2週目で前有利の馬場。多少ペースが速くなっても簡単には止まらない」と舞台を歓迎した。

 森秀厩舎は先週の小倉記念をエヒトで制した。2週連続の重賞制覇が懸かる。「(厩舎の)勢いもあるし楽しみ。この中間、在厩で少し休ませて一段と良くなった。前走よりもいい雰囲気で臨める」。サマースプリントシリーズは11ポイントで現在1位。勝てばシリーズ優勝が現実味を帯びてくる。小細工なしのスピード勝負で重賞連勝を狙う。

 《8月に強い森秀師》ジャスパークローネ、デュガを管理する森秀行師(64)はJRA通算786勝(平地766勝、障害20勝)の実績があり、特に夏が得意。開業以来7月84勝、8月72勝と2カ月で通算勝利の2割近くを稼いでいる。8月は通算の連対率と複勝率がそれぞれ22.9%、32.9%と月別で一番いい。暑さとともに厩舎の勢いも最高潮に達している。

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