カラテとの経験糧に菅原明が突き進む

2023年9月1日 05:00

昨年の新潟記念を制したカラテと菅原明

 【競馬人生劇場・平松さとし】今週末、新潟競馬場で新潟記念(G3)が行われる。昨年、このレースを勝ったのがカラテ(牡7=辻野)。手綱を取ったのは菅原明良騎手だった。

 01年3月生まれで、19年に美浦・高木登厩舎からデビュー。初勝利までは2カ月弱を要したが「指導していただいた上に、騎乗馬も用意してくださる高木先生に助けられました」と、1年目に31勝を挙げる活躍。3年目には75勝、4年目となった昨年も72勝。乗れる若手としてすっかり定着した。

 そんな彼はゴールデンハインドのフローラS(G2)など現在、重賞を7勝しているが、そのうち3勝が先述のカラテがパートナーであり、自身初の重賞制覇(21年東京新聞杯)もやはりこの馬とのタッグで記録したものだった。初重賞制覇前の心境を次のように振り返る。

 「状態の良さは分かっていたのですが、僕自身が重賞を勝ったことがなかったので、果たしてどのくらい通用するのか、見当がつきませんでした」

 そして、レースに関しては次のように述懐した。

 「直線では馬群の中に入り、前が空くまで我慢を強いられました。これで負けたら力を発揮させられなかった僕の責任なので、最後に差し切ってくれた時はうれしいというより、ホッとした感じでした」

 その後は一度もコンビを解消することなく、昨年は冒頭で記した通り新潟記念を勝利すると、今年も新潟大賞典(G3)を優勝。G1も昨年の天皇賞・秋で6着するなど、5度挑んでみせた。

 そんなカラテとの思い出だが「今でも悔しい」レースがあると言う。それは連覇を狙いながらも3着に敗れた昨年の東京新聞杯、そしてパンサラッサの逃げ切りを許した同年の中山記念(G2)だ。

 「当時のカラテは高橋祥泰調教師が管理されていました。高橋先生は2月いっぱいで定年だったので、そこで勝って恩返しをしたかったのですが、それができなかったので、悔しかったです」
 高橋元調教師のためにも、今後ますます活躍することを期待したい。 (フリーライター)

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