【中山新馬戦】大物シュバルツクーゲル“黒い弾丸”!鹿戸師「スタミナがありそうな体つき」

2023年9月20日 05:30

シュバルツクーゲル

 注目の2歳馬を紹介する「Road to 2024」。うわさの大物シュバルツクーゲル(牡=鹿戸、父キズナ)が中山日曜5R(芝2000メートル)に出走する。札幌2歳Sをセットアップで制した鹿戸厩舎が満を持して送り出す中長距離砲。ドイツ血統にちなみ、ドイツ語で黒い弾丸と命名された2歳馬の初陣に注目したい。

 名は体を表すという。ドイツ語で黒い弾丸(シュバルツクーゲル)と名付けられた2歳牡馬が上体を沈めて加速していく。その黒鹿毛の姿は30年前に「黒い弾丸」と呼ばれた名馬とオーバーラップする。「ヒシマサル来た!ヒシマサル来た!黒い弾丸が飛んでくる!」。関西テレビ・馬場鉄志アナの実況で知名度を高めた米国産馬ヒシマサル(92年毎日杯など重賞3勝)。その誕生日(2月20日)はシュバルツクーゲル(2月19日)と1日違い。血統は米国とドイツで大きな隔たりがあるが、中長距離適性を感じさせる胴長で雄大な黒鹿毛は共通している。

 「いかにもスタミナがありそうな体つきですよね。馬体重は480キロぐらい。長めの距離が向いている感じなので2000メートルの新馬に照準を合わせてきましたが、身のこなしもいいですね」。鹿戸師はその弾丸のような走りに目を凝らしながら口火を切った。弾丸を飛ばすには周到な準備が欠かせない。5月に美浦トレセンでゲート試験に合格した後は再び放牧に出して成長を促してきた。8月中旬に帰厩し、調教を強化。13日の1週前追い切りではWコースで古馬1勝クラスのフミバレンタインの1馬身後方を追走し、直線で馬なりのまま1馬身突き放した。「春から体力がかなりついて、大人になってきました。性格も真面目で素直。欠点らしい欠点がない馬です」と、調教担当の千島助手は語る。

 父はキズナ、母ソベラニアはドイツオークス2着馬。母の父はドイツで2400メートルのG1を3勝したモンズーン。半兄は弥生賞2着シュヴァルツリーゼ。血統も中長距離だ。札幌2歳Sを逃げ切った同厩舎のセットアップはマイルから中距離を射程に入れるが黒い弾丸は最大射程距離が2400メートル超にも及ぶ。

 名は体を表すという。「シュバルツクーゲル来た!シュバルツクーゲル来た!黒い弾丸が飛んでくる!」。母系のドイツ血統にちなんだドイツ語馬名がレース実況で連呼される日も近い。 

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